優駿牝馬2025(第86回)の考察

中央競馬において、クラシックと呼ばれるレースは、桜花賞、皐月賞、優駿牝馬、東京優駿、菊花賞の5レース。

 

したがって、秋華賞はクラシックレースとはいえない。

 

牝馬3冠の最終レースに位置付けられているが、秋華賞は、G1レースの中でも、1番賞金が低いレースとなっている。

 

さて、今回は、牝馬3冠の中で1番賞金の高いレースである優駿牝馬について考えてみたいと思う。

優駿牝馬2025の出馬表

優駿牝馬2025には20頭が登録。

 

登録馬20頭のうち、スイートピーステークス優勝馬のルージュソリテールが回避、エストゥペンダが抽選で外れ、18頭立て(フルゲート)となっている。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 アルマヴェローチェ 牝3 55.0kg 岩田 望来 上村 洋行 (同)TO RACING
1枠 2番 レーヴドロペラ 牝3 55.0kg 大野 拓弥 加藤 士津八 ライオンレースホース(株)
2枠 3番 パラディレーヌ 牝3 55.0kg 丹内 祐次 千田 輝彦 岡田 牧雄
2枠 4番 アイサンサン 牝3 55.0kg 北村 宏司 佐々木 晶三 岡 浩二
3枠 5番 リンクスティップ 牝3 55.0kg M.デムーロ 西村 真幸 (有)サンデーレーシング
3枠 6番 ビップデイジー 牝3 55.0kg 幸 英明 松下 武士 鈴木 邦英
4枠 7番 レーゼドラマ 牝3 55.0kg 坂井 瑠星 辻野 泰之 (有)社台レースホース
4枠 8番 サタデーサンライズ 牝3 55.0kg 田辺 裕信 石坂 公一 松岡 隆雄
5枠 9番 エンブロイダリー 牝3 55.0kg C.ルメール 森 一誠 (有)シルクレーシング
5枠 10番 タイセイプランセス 牝3 55.0kg 石橋 脩 池上 昌和 田中 成奉
6枠 11番 ウィルサヴァイブ 牝3 55.0kg 団野 大成 須貝 尚介 安原 浩司
6枠 12番 ブラウンラチェット 牝3 55.0kg D.レーン 手塚 貴久 (有)サンデーレーシング
7枠 13番 タガノアビー 牝3 55.0kg 藤岡 佑介 千田 輝彦 八木 良司
7枠 14番 サヴォンリンナ 牝3 55.0kg 北村 友一 田中 克典 (株)G1レーシング
7枠 15番 カムニャック 牝3 55.0kg A.シュタルケ 友道 康夫 金子真人ホールディングス(株)
8枠 16番 ゴーソーファー 牝3 55.0kg 津村 明秀 手塚 貴久 藤田 晋
8枠 17番 ケリフレッドアスク 牝3 55.0kg M.ディー 藤原 英昭 廣崎 利洋
8枠 18番 エリカエクスプレス 牝3 55.0kg 戸崎 圭太 杉山 晴紀 三木 正浩

キズナ産駒のパラディレーヌとアイサンサンが同枠配置、キズナ産駒のパラディレーヌとゴーソーファーが対角配置となっている。

桜花賞馬の乗り替わりからの考察

今年の桜花賞は、デイリー杯クイーンカップを勝った後、指定レースに出走せず、桜花賞に直行してきたエンブロイダリーが優勝した。

 

エンブロイダリーの桜花賞での騎乗騎手はモレイラ騎手で、優駿牝馬では、デイリー杯クイーンカップを勝利した時の鞍上であったルメール騎手が騎乗することになっている。

 

桜花賞を勝った馬の鞍上が、優駿牝馬で変更されたケースは、1999年のプリモディーネ、2012年のジェンティルドンナ、2013年のアユサン、2022年のスターズオンアース、2024年のステレンボッシュ、そして、今年のエンブロイダリーの6回。

 

プリモディーネは、年明け初戦にチューリップ賞に出走し、4着に敗れていた馬。

 

ジェンティルドンナは、日刊スポーツ賞シンザン記念で勝利した後、チューリップ賞に出走し、4着に敗れていた馬。

 

アユサンは、チューリップ賞で3着に入り、桜花賞の優先出走権を獲得していた馬。

 

スターズオンアースは、フェアリーステークス2着、デイリー杯クイーンカップ2着の後、直接、桜花賞に出走してきた馬。

 

ステレンボッシュは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着の後、直接、桜花賞に出走してきた馬。

 

この中で、エンブロイダリーに近いのは、スターズオンアースではないだろうか。

 

まずは、スターズオンアースが出走した2022年優駿牝馬の結果を見てみる。

 

2022年優駿牝馬(18頭立て・除外戦)

1着 スターズオンアース 牝3 55㎏ 8枠18番(逆1番)ルメール騎手 3人気

2着 スタニングローズ 牝3 55㎏ 1枠2番(逆17番)レーン騎手 10人気

3着 ナミュール 牝3 55㎏ 4枠8番(逆11番)横山武史騎手 4人気

 

2022年優駿牝馬を制したのは、桜花賞馬ながら、大外に配置され、3人気になっていたスターズオンアース。

 

スターズオンアースは、川田将雅騎手からルメール騎手への乗り替わりとなった社台レースホースが馬主の馬。

 

スターズオンアースの同枠は、プレサージュリフトとニシノラブウインクの2頭。

 

プレサージュリフトは、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞11着の成績を残していたサンデーレーシングが馬主の馬。

 

ニシノラブウインクは、フェアリーステークス7着、フラワーカップ2着だった非社台系の馬。

 

2着になったスタニングローズは、フラワーカップを勝っていたサンデーレーシングが馬主の馬。

 

スタニングローズの同枠馬のウォーターナビレラは、阪神ジュベナイルフィリーズ3着、チューリップ賞5着、桜花賞2着の実績を残していた非社台系の馬。

 

3着になったナミュールは、チューリップ賞1着、桜花賞1人気10着だったノーザンファーム生産、キャロットファームが馬主の馬。

 

桜花賞馬の鞍上の乗り替わりがあった2022年優駿牝馬の結果から考えると、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞1着だったエンブロイダリー、フラワーカップ1着馬のレーゼドラマ、2着馬のパラディレーヌは気になる。

「サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬出走からの考察

優駿牝馬の指定レースになっているサンケイスポーツ賞フローラステークスは、1着と2着に入れば、優駿牝馬の優先出走権がもらえるレースである。

 

ただし、今年の優駿牝馬は、出走するためのハードルが低く、1勝馬であっても登録し、抽選をパスできれば出走が叶うという状況になっていた。

 

そんな1勝馬の中で、出走にこぎつけてきたのが、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬のタイセイプランセスである。

 

サンケイスポーツ賞フローラステークスからの優先出走権の枠は、2018年に2枠に絞られたが、その前は3枠あった。

 

そこで、2001年から2017年までのサンケイスポーツ賞フローラステークス4着馬と2018年から2023年までのサンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬が、優駿牝馬に出走してきたケースを調べたところ、2004年、2007年、2011年、2016年、2019年、2021年が該当していた。

 

この6年のうち、桜花賞馬が不在だった2007年、2016年、2019年は今年と異なる。

 

また、2021年優駿牝馬に出走していた桜花賞馬のソダシは、阪神ジュベナイルフィリーズ優勝馬でもあるため、イメージが違う感じ。

 

残ったのは、2004年と2011年である。

 

2004年優駿牝馬(18頭立て)

1着 ダイワエルシエーロ 牝3 55㎏ 7枠13番(逆6番)福永祐一騎手 6人気

2着 スイープトウショウ 牝3 55㎏ 1枠1番(逆18番)池添謙一騎手 4人気

3着 ヤマニンアラバスタ 牝3 55㎏ 3枠6番(逆13番)江田照男騎手 7人気

4着 ダンスインザムード 牝3 55㎏ 3枠5番(逆14番)武豊騎手 1人気

 

2004年優駿牝馬は、桜花賞馬のダンスインザムードが1人気に支持されていた。

 

しかし、1着になったのは、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞7着の成績を残していたダイワエルシエーロだった。

 

ダイワエルシエーロの同枠馬は、3歳500万下条件戦の矢車賞(京都1800m)を勝ってきた17人気のマルカフローリアンとサンケイスポーツ賞フローラステークス4着馬のレイナシンフォニー(14人気)。

 

2着になったのは、紅梅ステークス(京都1400m)とチューリップ賞を勝利し、桜花賞で5着だったスイープトウショウ。

 

スイープトウショウの同枠馬は、サンケイスポーツ賞フローラステークス5着馬のマル地のセカンドノホシ(13人気)。

 

3着になったのは、桜花賞馬のダンスインザムードと同枠になっていた時事通信杯フラワーカップ2着馬のヤマニンアラバスタ(桜花賞9着馬)。

 

1人気に支持されていたダンスインザムードは4着に敗退。

 

ダンスインザムードは、時事通信杯フラワーカップを勝った後、桜花賞に直行していた馬だった。

 

2011年優駿牝馬(18頭立て)

1着 エリンコート 牝3 55㎏ 2枠4番(逆15番)後藤浩輝騎手 7人気

2着 ピュアブリーゼ 牝3 55㎏ 8枠18番(逆1番)柴田善臣騎手 8人気

3着 ホエールキャプチャ 牝3 55㎏ 6枠12番(逆7番)池添謙一騎手 2人気

4着 マルセリーナ 牝3 55㎏ 5枠9番(逆10番)安藤勝己騎手 1人気

 

2011年優駿牝馬で1人気に支持されていたのは、桜花賞馬のマルセリーナだった。

 

1着になったのは、忘れな草賞を勝ってきたエリンコート。

 

エリンコートの同枠馬のバウンシーチューンは、サンケイスポーツ賞フローラステークスを勝ってきた5人気の馬。

 

2着になったピュアブリーゼは、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬。

 

ピュアブリーゼの同枠馬は、新潟2歳ステークス1着、デイリー杯クイーンカップ2着の実績を持つ6人気のマイネイサベルと3歳500万下条件戦の矢車賞(京都1800m)を勝ってきた3人気のグルヴェイグ。

 

3着になったホエールキャプチャは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞2着の成績を残していた馬。

 

1人気のマルセリーナは4着に敗れている。

 

マルセリーナは、日刊スポーツ賞シンザン記念3着、エルフィンステークス1着からの桜花賞出走だった馬である。

 

サンケイスポーツ賞フローラステークス4着馬のハッピーグラスは、自身は8着に敗れているが、エリンコートの対角配置になっていた。

 

2004年と2011年優駿牝馬の結果から考えると、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬のタイセイプランセス、矢車賞を勝ったタガノアビーは気になる。

結論

サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬のタイセイプランセスと同枠になったエンブロイダリーを軸とする。

 

相手は、ブラウンラチェット、レーゼドラマ、タガノアビー、カムニャック、リンクスティップあたり。