
中央競馬において、クラシックと呼ばれるレースは、桜花賞、皐月賞、優駿牝馬、東京優駿、菊花賞の5レース。
したがって、秋華賞はクラシックレースとはいえない。
牝馬3冠の最終レースに位置付けられているが、秋華賞は、G1レースの中でも、1番賞金が低いレースとなっている。
さて、今回は、牝馬3冠の中で1番賞金の高いレースである優駿牝馬について考えてみたいと思う。
優駿牝馬2025の出馬表
優駿牝馬2025には20頭が登録。
登録馬20頭のうち、スイートピーステークス優勝馬のルージュソリテールが回避、エストゥペンダが抽選で外れ、18頭立て(フルゲート)となっている。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | アルマヴェローチェ | 牝3 | 55.0kg | 岩田 望来 | 上村 洋行 | (同)TO RACING |
1枠 | 2番 | レーヴドロペラ | 牝3 | 55.0kg | 大野 拓弥 | 加藤 士津八 | ライオンレースホース(株) |
2枠 | 3番 | パラディレーヌ | 牝3 | 55.0kg | 丹内 祐次 | 千田 輝彦 | 岡田 牧雄 |
2枠 | 4番 | アイサンサン | 牝3 | 55.0kg | 北村 宏司 | 佐々木 晶三 | 岡 浩二 |
3枠 | 5番 | リンクスティップ | 牝3 | 55.0kg | M.デムーロ | 西村 真幸 | (有)サンデーレーシング |
3枠 | 6番 | ビップデイジー | 牝3 | 55.0kg | 幸 英明 | 松下 武士 | 鈴木 邦英 |
4枠 | 7番 | レーゼドラマ | 牝3 | 55.0kg | 坂井 瑠星 | 辻野 泰之 | (有)社台レースホース |
4枠 | 8番 | サタデーサンライズ | 牝3 | 55.0kg | 田辺 裕信 | 石坂 公一 | 松岡 隆雄 |
5枠 | 9番 | エンブロイダリー | 牝3 | 55.0kg | C.ルメール | 森 一誠 | (有)シルクレーシング |
5枠 | 10番 | タイセイプランセス | 牝3 | 55.0kg | 石橋 脩 | 池上 昌和 | 田中 成奉 |
6枠 | 11番 | ウィルサヴァイブ | 牝3 | 55.0kg | 団野 大成 | 須貝 尚介 | 安原 浩司 |
6枠 | 12番 | ブラウンラチェット | 牝3 | 55.0kg | D.レーン | 手塚 貴久 | (有)サンデーレーシング |
7枠 | 13番 | タガノアビー | 牝3 | 55.0kg | 藤岡 佑介 | 千田 輝彦 | 八木 良司 |
7枠 | 14番 | サヴォンリンナ | 牝3 | 55.0kg | 北村 友一 | 田中 克典 | (株)G1レーシング |
7枠 | 15番 | カムニャック | 牝3 | 55.0kg | A.シュタルケ | 友道 康夫 | 金子真人ホールディングス(株) |
8枠 | 16番 | ゴーソーファー | 牝3 | 55.0kg | 津村 明秀 | 手塚 貴久 | 藤田 晋 |
8枠 | 17番 | ケリフレッドアスク | 牝3 | 55.0kg | M.ディー | 藤原 英昭 | 廣崎 利洋 |
8枠 | 18番 | エリカエクスプレス | 牝3 | 55.0kg | 戸崎 圭太 | 杉山 晴紀 | 三木 正浩 |
キズナ産駒のパラディレーヌとアイサンサンが同枠配置、キズナ産駒のパラディレーヌとゴーソーファーが対角配置となっている。
桜花賞馬の乗り替わりからの考察
今年の桜花賞は、デイリー杯クイーンカップを勝った後、指定レースに出走せず、桜花賞に直行してきたエンブロイダリーが優勝した。
エンブロイダリーの桜花賞での騎乗騎手はモレイラ騎手で、優駿牝馬では、デイリー杯クイーンカップを勝利した時の鞍上であったルメール騎手が騎乗することになっている。
桜花賞を勝った馬の鞍上が、優駿牝馬で変更されたケースは、1999年のプリモディーネ、2012年のジェンティルドンナ、2013年のアユサン、2022年のスターズオンアース、2024年のステレンボッシュ、そして、今年のエンブロイダリーの6回。
プリモディーネは、年明け初戦にチューリップ賞に出走し、4着に敗れていた馬。
ジェンティルドンナは、日刊スポーツ賞シンザン記念で勝利した後、チューリップ賞に出走し、4着に敗れていた馬。
アユサンは、チューリップ賞で3着に入り、桜花賞の優先出走権を獲得していた馬。
スターズオンアースは、フェアリーステークス2着、デイリー杯クイーンカップ2着の後、直接、桜花賞に出走してきた馬。
ステレンボッシュは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着の後、直接、桜花賞に出走してきた馬。
この中で、エンブロイダリーに近いのは、スターズオンアースではないだろうか。
まずは、スターズオンアースが出走した2022年優駿牝馬の結果を見てみる。
2022年優駿牝馬(18頭立て・除外戦)
1着 スターズオンアース 牝3 55㎏ 8枠18番(逆1番)ルメール騎手 3人気
2着 スタニングローズ 牝3 55㎏ 1枠2番(逆17番)レーン騎手 10人気
3着 ナミュール 牝3 55㎏ 4枠8番(逆11番)横山武史騎手 4人気
2022年優駿牝馬を制したのは、桜花賞馬ながら、大外に配置され、3人気になっていたスターズオンアース。
スターズオンアースは、川田将雅騎手からルメール騎手への乗り替わりとなった社台レースホースが馬主の馬。
スターズオンアースの同枠は、プレサージュリフトとニシノラブウインクの2頭。
プレサージュリフトは、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞11着の成績を残していたサンデーレーシングが馬主の馬。
ニシノラブウインクは、フェアリーステークス7着、フラワーカップ2着だった非社台系の馬。
2着になったスタニングローズは、フラワーカップを勝っていたサンデーレーシングが馬主の馬。
スタニングローズの同枠馬のウォーターナビレラは、阪神ジュベナイルフィリーズ3着、チューリップ賞5着、桜花賞2着の実績を残していた非社台系の馬。
3着になったナミュールは、チューリップ賞1着、桜花賞1人気10着だったノーザンファーム生産、キャロットファームが馬主の馬。
桜花賞馬の鞍上の乗り替わりがあった2022年優駿牝馬の結果から考えると、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞1着だったエンブロイダリー、フラワーカップ1着馬のレーゼドラマ、2着馬のパラディレーヌは気になる。
「サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬出走からの考察
優駿牝馬の指定レースになっているサンケイスポーツ賞フローラステークスは、1着と2着に入れば、優駿牝馬の優先出走権がもらえるレースである。
ただし、今年の優駿牝馬は、出走するためのハードルが低く、1勝馬であっても登録し、抽選をパスできれば出走が叶うという状況になっていた。
そんな1勝馬の中で、出走にこぎつけてきたのが、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬のタイセイプランセスである。
サンケイスポーツ賞フローラステークスからの優先出走権の枠は、2018年に2枠に絞られたが、その前は3枠あった。
そこで、2001年から2017年までのサンケイスポーツ賞フローラステークス4着馬と2018年から2023年までのサンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬が、優駿牝馬に出走してきたケースを調べたところ、2004年、2007年、2011年、2016年、2019年、2021年が該当していた。
この6年のうち、桜花賞馬が不在だった2007年、2016年、2019年は今年と異なる。
また、2021年優駿牝馬に出走していた桜花賞馬のソダシは、阪神ジュベナイルフィリーズ優勝馬でもあるため、イメージが違う感じ。
残ったのは、2004年と2011年である。
2004年優駿牝馬(18頭立て)
1着 ダイワエルシエーロ 牝3 55㎏ 7枠13番(逆6番)福永祐一騎手 6人気
2着 スイープトウショウ 牝3 55㎏ 1枠1番(逆18番)池添謙一騎手 4人気
3着 ヤマニンアラバスタ 牝3 55㎏ 3枠6番(逆13番)江田照男騎手 7人気
4着 ダンスインザムード 牝3 55㎏ 3枠5番(逆14番)武豊騎手 1人気
2004年優駿牝馬は、桜花賞馬のダンスインザムードが1人気に支持されていた。
しかし、1着になったのは、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞7着の成績を残していたダイワエルシエーロだった。
ダイワエルシエーロの同枠馬は、3歳500万下条件戦の矢車賞(京都1800m)を勝ってきた17人気のマルカフローリアンとサンケイスポーツ賞フローラステークス4着馬のレイナシンフォニー(14人気)。
2着になったのは、紅梅ステークス(京都1400m)とチューリップ賞を勝利し、桜花賞で5着だったスイープトウショウ。
スイープトウショウの同枠馬は、サンケイスポーツ賞フローラステークス5着馬のマル地のセカンドノホシ(13人気)。
3着になったのは、桜花賞馬のダンスインザムードと同枠になっていた時事通信杯フラワーカップ2着馬のヤマニンアラバスタ(桜花賞9着馬)。
1人気に支持されていたダンスインザムードは4着に敗退。
ダンスインザムードは、時事通信杯フラワーカップを勝った後、桜花賞に直行していた馬だった。
2011年優駿牝馬(18頭立て)
1着 エリンコート 牝3 55㎏ 2枠4番(逆15番)後藤浩輝騎手 7人気
2着 ピュアブリーゼ 牝3 55㎏ 8枠18番(逆1番)柴田善臣騎手 8人気
3着 ホエールキャプチャ 牝3 55㎏ 6枠12番(逆7番)池添謙一騎手 2人気
4着 マルセリーナ 牝3 55㎏ 5枠9番(逆10番)安藤勝己騎手 1人気
2011年優駿牝馬で1人気に支持されていたのは、桜花賞馬のマルセリーナだった。
1着になったのは、忘れな草賞を勝ってきたエリンコート。
エリンコートの同枠馬のバウンシーチューンは、サンケイスポーツ賞フローラステークスを勝ってきた5人気の馬。
2着になったピュアブリーゼは、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬。
ピュアブリーゼの同枠馬は、新潟2歳ステークス1着、デイリー杯クイーンカップ2着の実績を持つ6人気のマイネイサベルと3歳500万下条件戦の矢車賞(京都1800m)を勝ってきた3人気のグルヴェイグ。
3着になったホエールキャプチャは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞2着の成績を残していた馬。
1人気のマルセリーナは4着に敗れている。
マルセリーナは、日刊スポーツ賞シンザン記念3着、エルフィンステークス1着からの桜花賞出走だった馬である。
サンケイスポーツ賞フローラステークス4着馬のハッピーグラスは、自身は8着に敗れているが、エリンコートの対角配置になっていた。
2004年と2011年優駿牝馬の結果から考えると、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬のタイセイプランセス、矢車賞を勝ったタガノアビーは気になる。
結論
サンケイスポーツ賞フローラステークス3着馬のタイセイプランセスと同枠になったエンブロイダリーを軸とする。
相手は、ブラウンラチェット、レーゼドラマ、タガノアビー、カムニャック、リンクスティップあたり。