チューリップ賞2025(第32回)の考察

桜花賞のステップレースは、チューリップ賞、報知杯フィリーズレビュー、アネモネステークスの3レース。

 

チューリップ賞と報知杯フィリーズレビューで3着以内、アネモネステークスで2着以内に入った馬には、桜花賞への優先出走権が与えられている。

 

チューリップ賞は、1994年にG3に昇格、2018年にG2に格上げされたレースだが、今までは土曜日に行われていた。

 

そのチューリップ賞が、今年、土曜日から日曜日に開催が変更となる(1回阪神3日から1回阪神2日へ)。

 

果たして、シン阪神でチューリップ賞覇者となる馬は、どんな馬なのだろうか?

チューリップ賞2025の出馬表

チューリップ賞2025の登録馬は17頭。

 

登録馬17頭のうち、マル地のコパノエミリア、スリールミニョン、ネーブルオレンジが回避し、14頭立てとなっている。

 

回避したマル地のコパノエミリアは、3月4日で引退する村山明厩舎の馬、スリールミニョンはオープンのききょうステークスの勝ち馬、ネーブルオレンジはフェアリーステークスで13着に敗れていた社台ファーム生産の馬である。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 ザラタン 牝3 55.0kg 池添 謙一 中竹 和也 加藤 誠
2枠 2番 クリノメイ 牝3 55.0kg 酒井 学 須貝 尚介 栗本 依利子
3枠 3番 ノクナレア 牝3 55.0kg 松山 弘平 今野 貞一 (有)社台レースホース
3枠 4番 ナムラクララ 牝3 55.0kg 西村 淳也 長谷川 浩大 奈村 睦弘
4枠 5番 フェアリーライク 牝3 55.0kg 岩田 望来 笹田 和秀 小林 竜太郎
4枠 6番 プリンセッサ 牝3 55.0kg 和田 竜二 牧田 和弥 永田 和彦
5枠 7番 ルージュナリッシュ 牝3 55.0kg 川田 将雅 国枝 栄 (株)東京ホースレーシング
5枠 8番 サウンドサンライズ 牝3 55.0kg 松若 風馬 音無 秀孝 (株)ライフハウス
6枠 9番 ビップデイジー 牝3 55.0kg 幸 英明 松下 武士 鈴木 邦英
6枠 10番 メイショウタマユラ 牝3 55.0kg 田口 貫太 大橋 勇樹 松本 好雄
7枠 11番 ウォーターガーベラ 牝3 55.0kg 武 豊 河内 洋 山岡 正人
7枠 12番 ルージュソリテール 牝3 55.0kg 北村 友一 藤原 英昭 (株)東京ホースレーシング
8枠 13番 ラウルベア 牝3 55.0kg 角田 大和 高野 友和 (有)社台レースホース
8枠 14番 マイエレメント 牝3 55.0kg 坂井 瑠星 福永 祐一 (有)キャロットファーム

8枠の2頭は、母の父がディープインパクトの馬である。

阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬からの考察

昨年の阪神ジュベナイルフィリーズは、通常の阪神開催ではなく、代替開催の京都で行われた。

 

京都で、阪神ジュベナイルフィリーズが行われたことは、昨年が初で、阪神ジュベナイルフィリーズの前身である阪神3歳ステークスを振り返っても、1990年以来らしい。

 

しかも、1990年の阪神3歳ステークスは、牡馬も出走できたので、現在のレース体系とは全く異なっているのだ。

 

さて、今年のチューリップ賞には、昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のビップデイジーが出走する。

 

ビップデイジーは、中京1600mの新馬戦を5人気で勝利した後、京都1800mの1勝クラスの紫菊賞を3人気で連勝し、阪神ジュベナイルフィリーズを8人気で2着になっていた馬である。

 

この馬の特徴は、1勝クラスの条件戦で2勝目を挙げ、阪神ジュベナイルフィリーズを8人気の低評価ながら2着になっていること。

 

2001年以降に、阪神ジュベナイルフィリーズで2着になり、翌年のチューリップ賞に出走したのは、2013年のクロフネサプライズ、2014年のハープスター、2015年のレッツゴードンキ、2016年のウインファビラス、2017年のリスグラシュー、2018年のリリーノーブル、2020年のマルターズディオサの7頭。

 

この7頭のうち、1勝クラスの条件戦で2勝目を挙げ、阪神ジュベナイルフィリーズで6人気以下で2着になっていたのは、クロフネサプライズとマルターズディオサの2頭。

 

まずは、クロフネサプライズとマルターズディオサが出走したチューリップ賞を振り返ってみる。

2013年チューリップ賞( 1回阪神3日・15頭立て)

1着 クロフネサプライズ 牝3 54㎏ 4枠7番(逆9番) 武豊騎手 3人気

2着 ウインプリメーラ 牝3 54㎏ 7枠13番(逆3番)和田竜二騎手 7人気

3着 アユサン 牝3 54㎏ 4枠6番(逆10番) 丸山元気騎手 5人気

 

2013年チューリップ賞を制したのは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のクロフネサプライズ。

 

クロフネサプライズは、2戦目となる小倉1200mの未勝利戦で初勝利を挙げ、小倉2歳ステークスで9着、500下条件戦のりんどう賞(京都1400m)で1着の後、阪神ジュベナイルフィリーズに15人気で出走し、2着となっていた馬で、チューリップ賞では柴山雄一騎手から武豊騎手に乗り替わりとなっていた。

 

クロフネサプライズの同枠馬で、3着になったアユサンは、東京1400mの新馬戦を勝利した後、アルテミスステークス(東京1600m)で2着、阪神ジュベナイルフィリーズで7着(1着対角)になっていた馬。

 

2着になったウインプリメーラは、2戦目となる京都1600mの未勝利戦で勝った後、アルテミスステークスで3着、フェアリーステークス(中山1600m)で8着同着、エルフィンステークス(京都1600m)でゾロ目の2着になっていた馬。

 

ウインプリメーラの同枠のヴィルジニアは、年明けの2回京都6日(2月10日)の新馬戦(京都1800m)で1着になっていた馬。

 

2020年チューリップ賞( 1回阪神3日・14頭立て)

1着 マルターズディオサ 牝3 54㎏ 8枠13番(逆2番) 田辺裕信騎手 4人気

2着 クラヴァシュドール 牝3 54㎏ 1枠1番(逆14番)M.デムーロ騎手 2人気

3着 レシステンシア 牝3 54㎏ 3枠4番(逆11番) 北村友一騎手 1人気

 

2020年チューリップ賞を勝利したのは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のマルターズディオサ。

 

マルターズディオサは、2戦目となる新潟1600mの未勝利戦で初勝利を挙げ、中山1600mの1勝クラスのサフラン賞を勝ち、阪神ジュベナイルフィリーズで6人気2着となり、田辺裕信騎手の継続騎乗でチューリップ賞に出走してきた馬。

 

マルターズディオサの同枠馬のピーエムピンコは、3戦目となる中山1600mの未勝利戦で初勝利を挙げ、チューリップ賞に出走してきた馬。

 

2着になったクラヴァシュドールは、阪神1600mの新馬戦で初勝利を挙げた後、サウジアラビアロイヤルカップ(東京1600m)で2着、阪神ジュベナイルフィリーズで3着(2着同枠)し、チューリップ賞では藤岡佑介騎手からM.デムーロ騎手に乗り替わりとなっていた。

 

3着になったレシステンシアは、京都1400mの新馬戦、京都1400mのKBS京都賞ファンタジーステークス、阪神1600mの阪神ジュベナイルフィリーズを3連勝し、チューリップ賞に1人気で出走してきた馬。

 

阪神ジュベナイルフィリーズで2着になり、チューリップ賞に出走したクロフネサプライズとマルターズディオサは、チューリップ賞を勝っているが、1人気になっていない。

 

また、2013年チューリップ賞は、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬とエルフィンステークス2着馬の決着、2020年チューリップ賞は阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬と阪神ジュベナイルフィリーズ3着馬の決着になっていた。

結論

土曜日の行われた阪神メインの仁川ステークス(リステッド競走)は、9人気と6人気の決着だった。

 

仁川ステークスを勝ったルクスフロンティアは、 4回東京6日に行われたブラジルカップで12着に惨敗していた9人気の馬で、同枠には、年明けのポルックスステークス(1回中山4日)に出走し、6着に敗れていたマル地のリチュアル(5人気)がいた。

 

一方、2着になったゼットリアンの前走は、1回京都3日(2月10日)に行われたアルデバランステークスで、ゼットリアンは4着になっていた。

 

ゼットリアンの同枠には、1番人気のカズペトシーンがおり、カズペトシーンの前走は、レース名の変更があったプロキオンステークス(1回中京9日)で、カズペトシーンは6着だった。

 

仁川ステークスから考えられることは、1着枠にも2着枠にも、年明けのレースで出走していた馬がいたこと、仁川ステークスは9人気と6人気の決着だったが、同枠には1人気と5人気がいたことが挙げられる。

 

さて、前有利な開幕週で、差し馬のビップデイジーを軸にするのは怖い気がする。(雨予報もあるが)

 

そこで、軸にはナムラクララを推したい。

 

ナムラクララが勝った紅梅ステークスは、中京で行われたレースで、来年は京都で行われると思われる。

 

つまり、今年ならではのレースだったということ。

 

相手は、ビップデイジー、ルージュソリテール、クリノメイ、マイエレメント、フェアリーライクあたり。