高松宮記念2024(第54回)の考察

フェブラリーステークスからの考察

昨年から高松宮記念も他のG1レースと同様に、4歳以上の牡馬と騙馬には58㎏の斤量、4歳以上の牝馬には56㎏の斤量が課せられるようになった。

 

まずは、最初に行われた今年のフェブラリーステークスから考えてみる。

 

16頭立てで行われた今年のフェブラリーステークスを制したのは、11人気の6歳牡馬のペプチドナイルだった。

 

ペプチドナイルは、前年の12月に行われたリステッド競走のベテルギウスステークス(阪神1800m・特指・別定)で59㎏斤量を背負い、1着になっている。

 

ベテルギウスステークスを勝利した後、ペプチドナイルは東海テレビ杯東海ステークス(京都1800m・指定・別定)に57㎏斤量で出走し、3人気で6着に終わっている。

 

ペプチドナイルは、G1初出走の馬で、重賞も勝っていない馬だったが、フェブラリーステークスで課せられる58㎏斤量をクリア(1年以内)し、フェブラリーステークスのステップレースに出走していた馬だといえるだろう。

 

また、ペプチドナイルの同枠馬のタガノビューティーは、前年3月に行われたリステッド競走のコーラルステークス(阪神1400m・特指・ハンデ)に58㎏斤量で出走して1着になっている馬で、57㎏斤量で出走した東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(東京1600m・指定・別定)で2着になっている馬であるので、ペプチドナイルのサポート馬として機能したのだろう。

 

今年のフェブラリーステークスで2着になったガイアフォースは、5人気の5歳牡馬。

 

ガイアフォースは、前年4月に行われた読売マイラーズカップ(京都芝1600m・指定・別定)で58㎏斤量で出走して2着に連対した後、安田記念4着、産経賞オールカマー5着、天皇賞(秋)5着、チャレンジカップ6着の成績を残していた馬。

 

ガイアフォースは、ダート戦初出走の馬だったが、フェブラリーステークスで課せられる58㎏斤量をクリア(1年以内)し、フェブラリーステークスのステップレースに出走していなかった馬だといえるだろう。

 

今年のフェブラリーステークスで、連対禁止の3着席についたのは、ガイアフォースの同枠馬のセキフウ。

 

セキフウは、前年6月に行われたリステッド競走の大沼ステークス(函館1700m・特指・別定)に59㎏斤量で出走し、2着になっていた馬。

 

なお、セキフウが2着に敗れた大沼ステークスの1着馬は、今年のフェブラリーステークス優勝馬のペプチドナイルだったので、大沼ステークスの1着馬と2着馬が枠でフェブラリーステークスに連動したということである。

 

さて、今年のフェブラリーステークスは、58㎏斤量を1年以内にクリアした2頭での決着となっている。

 

高松宮記念2024の登録馬で、1年以内のレースで58㎏斤量(牝馬は56㎏斤量)を背負って、連対していたのは、ウインカーネリアン(東京新聞杯で58㎏斤量を背負い2着)、ウインマーベル(阪神カップと阪急杯で58㎏斤量を背負い1着)、シュバルツカイザー(カーバンクルステークスで58㎏斤量を背負い1着)、トウシンマカオ(京阪杯で58㎏斤量を背負い1着)、ナムラクレア(京都牝馬ステークスで56㎏斤量を背負い2着)、ビッグシーザー(淀短距離ステークスで58㎏斤量を背負い1着)、マッドクール(スプリンターズステークスで58㎏斤量を背負い2着)、ママコチャ(スプリンターズステークスで56㎏斤量を背負い1着)、モリノドリーム(2勝クラス・函館日刊スポーツ杯で56㎏斤量を背負い1着)といったところ。

高松宮記念2024の出馬表

23頭が登録及び招待された高松宮記念2024だったが、 アサカラキング、キミワクイーン、グランデマーレ、クリノガウディー、モリノドリームが除外され、18頭立てのフルゲートで行われるようになった。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 ビッグシーザー 牡4 58.0kg 吉田 隼人 西園 正都 幅田 昌伸
1枠 2番 マッドクール 牡5 58.0kg 坂井 瑠星 池添 学 (有)サンデーレーシング
2枠 3番 ナムラクレア 牝5 56.0kg 浜中 俊 長谷川 浩大 奈村 睦弘
2枠 4番 モズメイメイ 牝4 56.0kg 藤岡 佑介 音無 秀孝 (株)キャピタル・システム
3枠 5番 トウシンマカオ 牡5 58.0kg C.ルメール 高柳 瑞樹 (株)サトー
3枠 6番 ルガル 牡4 58.0kg 西村 淳也 杉山 晴紀 江馬 由将
4枠 7番 テイエムスパーダ 牝5 56.0kg 富田 暁 木原 一良 竹園 正繼
4枠 8番 ソーダズリング 牝4 56.0kg 武 豊 音無 秀孝 (有)社台レースホース
5枠 9番 シャンパンカラー 牡4 58.0kg 吉田 豊 田中 剛 青山 洋一
5枠 10番 ビクターザウィナー せん6 58.0kg K.リョン C.シャム Y.チュウ
6枠 11番 メイケイエール 牝6 56.0kg 池添 謙一 武 英智 名古屋競馬(株)
6枠 12番 ロータスランド 牝7 56.0kg 岩田 康誠 辻野 泰之 (同)小林英一ホールディングス
7枠 13番 ウインカーネリアン 牡7 58.0kg 三浦 皇成 鹿戸 雄一 (株)ウイン
7枠 14番 ママコチャ 牝5 58.0kg 川田 将雅 池江 泰寿 金子真人ホールディングス(株)
7枠 15番 ディヴィーナ 牝6 56.0kg M.デムーロ 友道 康夫 佐々木 主浩
8枠 16番 ウインマーベル 牡5 58.0kg 松山 弘平 深山 雅史 (株)ウイン
8枠 17番 マテンロウオリオン 牡5 58.0kg 横山 典弘 昆 貢 寺田 千代乃
8枠 18番 シュバルツカイザー せん6 58.0kg 大野 拓弥 大竹 正博 ゴドルフィン

高松宮記念当日に、引退式を行うメイケイエールは6枠11番、外国馬のビクターザウィナーは5枠10番に配置された。

外国馬出走からの考察

高松宮記念がG1になってから、外国馬が出走してきたのは、2003年、2015年、2018年の3回しかない。

 

2003年高松宮記念には、ディスタービングザとエコーエディという2頭の外国馬が出走していた。

 

18頭立てで行われた2003年高松宮記念の1着馬は、1枠1番に配置されていた5歳牝馬のビリーヴ。

 

ビリーヴは、阪神1200mのセントウルステークスをレコードで勝った後、新潟開催だった2002年スプリングステークスでも1着、その後は香港スプリント12着、阪急杯9着という成績を残していた。

 

2003年高松宮記念の2着馬のサニングデールは、中京1200mの別定戦であるCBC賞を勝った後、 シルクロードステークス3着(1着同枠)、阪神1200mの阪急杯で2着になっていた4歳牡馬で、ビリーヴの対角配置となる8枠18番にいた馬。

 

3着になったリキアイタイカンは、前年のマイルチャンピオンシップの3着馬で、シルクロードステークス5着からの出走だった。

 

2015年の高松宮記念は、外国馬のエアロヴェロシティが1着。

 

エアロヴェロシティは、前年の香港スプリントを勝った後、チェアマンズスプリントプライズで2着になっていた7歳騙馬。

 

2015年高松宮記念で2着になったハクサンムーンは、2013年スプリンターズステークスの2着馬で、前走の夕刊フジ賞オーシャンステークスで、2着に敗れていた6歳馬。

 

2015年高松宮記念で3着になったミッキーアイルは、2014年のNHKマイルカップの1着馬で、前走は阪神1400mの阪急杯で2着になっていた4歳馬。

 

2018年の高松宮記念には、ブリザードという7歳騙馬の外国馬が出走していた。

 

2018年高松宮記念の1着馬は、5歳馬のファインニードル。

 

ファインニードルは、2017年産経賞セントウルステークスで1着になった後、2017年スプリンターズステークスで12着、2018年シルクロードステークスで1着になっていた馬。

 

2018年高松宮記念の2着馬は、2015年桜花賞馬のレッツゴードンキ。

 

レッツゴードンキは、前年のスプリンターズステークスで2着になった後、香港スプリント6着、フェブラリーステークス5着だった6歳牝馬。

 

2018年高松宮記念の3着馬は、レッツゴードンキの同枠馬のナックビーナス。

 

ナックビーナスは、中山1200mのカーバンクルステークスを勝った後、シルクロードステークス5着、夕刊フジ賞オーシャンステークス2着だった5歳牝馬。

 

外国馬が出走してきた2003年、2015年、2018年の高松宮記念は、G1馬が連対している。

 

また、2003年高松宮記念2着馬のサニングデールが阪急杯2着、2015年高松宮記念2着馬のハクサンムーンが夕刊フジ賞オーシャンステークス2着、2018年高松宮記念1着同枠馬のダイアナヘイローが阪急杯1着とステップレースでの連対歴があったことは気になる。

結論

高松宮記念2024の出走馬で、G1タイトルを獲得している馬は、ビクターザウィナー、ママコチャ、シャンパンカラーの3頭。

 

ビクターザウィナーとシャンパンカラーの2頭が同枠になっていることからも、この枠は非常に気になる。

 

ただ、ビクターザウィナーが、1年以内に58㎏斤量をクリアしたのはハンデ戦なので、微妙な感じがする。

 

さて、今回の軸だが、ビッグシーザー(マッドクール)を軸にしたいと思う。

 

外国馬が出走した2003年高松宮記念2着馬のサニングデールが阪急杯2着馬、同じく外国馬が出走した2015年高松宮記念2着馬のハクサンムーンが夕刊フジ賞オーシャンステークス2着馬、同じく2018年高松宮記念2着同枠兼3着馬のナックビーナスが夕刊フジ賞オーシャンステークス2着馬であることから、夕刊フジ賞オーシャンステークス2着馬のビッグシーザーは連対の型を持っていると思う。

 

同じ高松宮記念のステップレースである阪急杯2着馬のアサカラキングが除外になっているのも、ビッグシーザーには追い風になっているのでは。

 

そこで、ビッグシーザー(マッドクール)からビクターザウィナー、ママコチャ、シャンパンカラーの3頭に流してみたいと思う。