
昨年までのスプリングステークスは、フジテレビ賞スプリングステークスというレース名が正式レース名だった。
ところが、今年、フジテレビ賞が削られ、スプリングステークスが正式レース名となっている。
どうやら、フジテレビの方から冠名の辞退があったらしい。
一連の騒動が、競馬の世界に影響してしまうのも、当然といえば当然である。
何しろ、中央競馬を所管しているのは、農水省なのだから。
2011年スプリングステークスからの考察
フジテレビ賞スプリングステークスの名で行われてきたスプリングステークスだが、フジテレビ賞の冠が外れた時が1回ある。
東日本大震災があった2011年だ。
この年は、東日本大震災によって、中山競馬場での開催が中止となり、土曜日に阪神競馬場で開催されていた
まずは、2011年のスプリングステークスの結果を見てみる。
2011年スプリングステークス(2回阪神1日・阪神1800m・18頭立て)
1着 オルフェーヴル 牡3 56㎏ 3枠6番(逆13番)池添謙一騎手 1人気
2着 ベルシャザール 牡3 56㎏ 4枠7番(逆12番)安藤勝己騎手 4人気
3着 ステラロッサ 牡3 56㎏ 7枠15番(逆4番)リスポリ騎手 8人気
2011年スプリングステークスを勝利したのは、1人気のオルフェーヴル。
オルフェーヴルは、スプリングステークスを制する前は、日刊スポーツ賞シンザン記念で2着ぐらいしか実績がなかったサンデーレーシングが馬主の1勝馬だった。(条件戦は未出走)
オルフェーヴルの同枠のアドマイヤサガスは、2歳指定馬齢戦のデイリー杯2歳ステークスで2着になっていた1勝馬。
2着になったベルシャザールは、オープンレースだったホープフルステークスを勝っていた社台レースホースが馬主の2勝馬。(条件戦は未出走)
ベルシャザールの同枠のニジブルームは、3歳500万下条件戦(京都1600m)を勝った後、共同通信杯に出走して7着だった馬。
3着になったステラロッサは、社台レースホースが馬主の年明けデビュー馬。
フジテレビ賞の冠が外れた2011年スプリングステークスから考えると、1人気、社台系の馬、1勝馬あたりが気になる。
スプリングステークス2025の出馬表
12頭の登録があったスプリングステークス2025だったが、登録馬全頭が出走してきた。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | ダノンセンチュリー | 牡3 | 57.0kg | 戸崎 圭太 | 萩原 清 | (株)ダノックス |
2枠 | 2番 | ローレルオーブ | 牡3 | 57.0kg | 原 優介 | 原 優介 | (株)ローレルレーシング |
3枠 | 3番 | クモヒトツナイ | 牡3 | 57.0kg | 横山 和生 | 堀内 岳志 | 仔馬カメラ(株) |
4枠 | 4番 | ニホンピロデヴィン | 牡3 | 57.0kg | 小沢 大仁 | 緒方 努 | 小林 英一 |
5枠 | 5番 | レーヴブリリアント | 牡3 | 57.0kg | C.ルメール | 田中 博康 | 松田 和志 |
5枠 | 6番 | ジェットマグナム | 牡3 | 57.0kg | 津村 明秀 | 安達 昭夫 | Him Rock Racingホールディングス(株) |
6枠 | 7番 | キングスコール | 牡3 | 57.0kg | 藤岡 佑介 | 矢作 芳人 | DMMドリームクラブ(株) |
6枠 | 8番 | マテンロウバローズ | 牡3 | 57.0kg | 横山 典弘 | 昆 貢 | 寺田 千代乃 |
7枠 | 9番 | ピコチャンブラック | 牡3 | 57.0kg | 石橋 脩 | 上原 佑紀 | 石部 美恵子 |
7枠 | 10番 | フクノブルーレイク | 牡3 | 57.0kg | 松岡 正海 | 竹内 正洋 | 福島 祐子 |
8枠 | 11番 | スナークピカソ | 牡3 | 57.0kg | 菅原 明良 | 高橋 一哉 | 杉本 豊 |
8枠 | 12番 | スワローシチー | 牡3 | 57.0kg | 田辺 裕信 | 相沢 郁 | (株)友駿ホースクラブ |
スプリングステークスが12頭立てとなったのは、キタサンブラックが勝った2015年以来となる。
報知杯弥生賞ディープインパクト記念からの考察
報知杯弥生賞ディープインパクト記念、スプリングステークス、若葉ステークスは、皐月賞への優先出走権を付与するレースである。
既に終了した報知杯弥生賞ディープインパクト記念の結果を見てみる。
2025年報知杯弥生賞ディープインパクト記念(2回中山4日・中山2000m・14頭立て)
1着 ファウストラーゼン 牡3 57㎏ 5枠8番(逆7番)杉原誠人騎手 7人気
2着 ヴィンセンシオ 牡3 57㎏ 3枠3番(逆12番)ルメール騎手 2人気
3着 アロヒアリイ 牡3 57㎏ 5枠7番(逆8番)横山和生騎手 5人気
2025年報知杯弥生賞ディープインパクト記念を制したのは、2戦目の2歳未勝利戦(京都2000m)を勝った後、中山2000mの2歳G1のホープフルステークスで3着になっていたファウストラーゼン。
ファウストラーゼンの同枠馬で3着になったアロヒアリイは、東京2000mの2歳新馬戦を勝った後、中山2000mの3歳1勝クラスで2着になっていた馬。
2着になったヴィンセンシオは、新潟2000mの2歳新馬戦を勝った後、中山2000mの2歳1勝クラスの葉牡丹賞をレコードで勝ってきた馬。
ヴィンセンシオの同枠馬のベストシーンは、3戦目の2歳未勝利戦(祝日開催・東京1800m)で初勝利を挙げた後、2歳1勝クラスのひいらぎ賞(中山1600m)で3着、3歳1勝クラスのセントポーリア賞(東京1800m)で6着になっていた馬。
中山2000mで行われた2025年報知杯弥生賞ディープインパクト記念は、中山2000mの3歳1勝クラスで2着になっていた馬と同枠になった中山2000mの2歳G1のホープフルステークスで3着になった馬が1着、中山2000mの2歳1勝クラスを勝っていた馬が2着、中山2000mの3歳1勝クラスで2着になっていた馬が3着という結果。
結論
土曜日に行われた中山メインのアネモネステークスは、4人気になっていた1枠1番配置のトワイライトシティが1着、2着は3人気のプリムツァールが入り、1人気に支持されたアルメントフーベルは3着に終わっていた。
トワイライトシティは、1回中京5日に行われた中京1600mの3歳新馬戦の勝ち馬、プリムツァールは、トワイライトシティが勝った新馬戦の2着馬で、1回東京2日に行われた東京1600mの3歳未勝利戦で初勝利を挙げていた馬、3着に入ったアルメントフーベルは、5回中山6日に行われた2歳新馬戦の勝ち馬だった。
1回中京開催出走馬が、スプリングステークス2025の鍵かと思われたが、あいにく、スプリングステークス2025の出走馬には、日刊スポーツ賞シンザン記念で12着に敗れたレーヴブリリアントぐらいしかいない。
視点を変えて、土曜日に行われた中山メインのアネモネステークスを見てみる。
アネモネステークスは牝馬限定の3歳リステッド競走なので、2歳から3歳の間は、負担重量は馬齢戦では変わらない。
しかし、牡馬や騙馬の場合、2歳の9月までは55㎏斤量、2歳の10月から12月までは56㎏斤量、3歳は57㎏斤量に馬齢戦では変わっていく。
アネモネステークスを勝ったトワイライトシティも、アネモネステークスで2着になったプリムツァールも、年明け後に勝っているので、牡馬や騙馬で考えると、57㎏斤量で勝ったことになる。
スプリングステークス2025の出走馬で、57㎏斤量で賞金加算していた馬は、ダノンセンチュリー、マテンロウバローズ、スナークピカソの3頭。
この3頭の中では、1勝クラスを勝っていたマテンロウバローズが上位となるが、マテンロウバローズ自身は1600m戦のみの戦績で、軸にするのは怖い気がする。
そこで、マテンロウバローズの同枠のキングスコールを軸にしてみる。
重馬場となった現在の中山競馬場は、力のいる馬場であろう。
先行脚質であり、札幌の洋芝をこなしたキングスコールが、久々でも動けると見る。
相手は、スナークピカソと同枠になったスワローシチー、福島でデビュー勝ちしたピコチャンブラック、重馬場での実績があるクモヒトツナイ、重馬場適性があるか不明なダノンセンチュリーあたり。