スプリングステークス2025(第74回)の考察

昨年までのスプリングステークスは、フジテレビ賞スプリングステークスというレース名が正式レース名だった。

 

ところが、今年、フジテレビ賞が削られ、スプリングステークスが正式レース名となっている。

 

どうやら、フジテレビの方から冠名の辞退があったらしい。

 

一連の騒動が、競馬の世界に影響してしまうのも、当然といえば当然である。

 

何しろ、中央競馬を所管しているのは、農水省なのだから。

2011年スプリングステークスからの考察

フジテレビ賞スプリングステークスの名で行われてきたスプリングステークスだが、フジテレビ賞の冠が外れた時が1回ある。

 

東日本大震災があった2011年だ。

 

この年は、東日本大震災によって、中山競馬場での開催が中止となり、土曜日に阪神競馬場で開催されていた

 

まずは、2011年のスプリングステークスの結果を見てみる。

 

2011年スプリングステークス(2回阪神1日・阪神1800m・18頭立て)

1着 オルフェーヴル 牡3 56㎏ 3枠6番(逆13番)池添謙一騎手 1人気

2着 ベルシャザール 牡3 56㎏ 4枠7番(逆12番)安藤勝己騎手 4人気

3着 ステラロッサ 牡3 56㎏ 7枠15番(逆4番)リスポリ騎手 8人気

 

2011年スプリングステークスを勝利したのは、1人気のオルフェーヴル。

 

オルフェーヴルは、スプリングステークスを制する前は、日刊スポーツ賞シンザン記念で2着ぐらいしか実績がなかったサンデーレーシングが馬主の1勝馬だった。(条件戦は未出走)

 

オルフェーヴルの同枠のアドマイヤサガスは、2歳指定馬齢戦のデイリー杯2歳ステークスで2着になっていた1勝馬。

 

2着になったベルシャザールは、オープンレースだったホープフルステークスを勝っていた社台レースホースが馬主の2勝馬。(条件戦は未出走)

 

ベルシャザールの同枠のニジブルームは、3歳500万下条件戦(京都1600m)を勝った後、共同通信杯に出走して7着だった馬。

 

3着になったステラロッサは、社台レースホースが馬主の年明けデビュー馬。

 

フジテレビ賞の冠が外れた2011年スプリングステークスから考えると、1人気、社台系の馬、1勝馬あたりが気になる。

スプリングステークス2025の出馬表

12頭の登録があったスプリングステークス2025だったが、登録馬全頭が出走してきた。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 ダノンセンチュリー 牡3 57.0kg 戸崎 圭太 萩原 清 (株)ダノックス
2枠 2番 ローレルオーブ 牡3 57.0kg 原 優介 原 優介 (株)ローレルレーシング
3枠 3番 クモヒトツナイ 牡3 57.0kg 横山 和生 堀内 岳志 仔馬カメラ(株)
4枠 4番 ニホンピロデヴィン 牡3 57.0kg 小沢 大仁 緒方 努 小林 英一
5枠 5番 レーヴブリリアント 牡3 57.0kg C.ルメール 田中 博康 松田 和志
5枠 6番 ジェットマグナム 牡3 57.0kg 津村 明秀 安達 昭夫 Him Rock Racingホールディングス(株)
6枠 7番 キングスコール 牡3 57.0kg 藤岡 佑介 矢作 芳人 DMMドリームクラブ(株)
6枠 8番 マテンロウバローズ 牡3 57.0kg 横山 典弘 昆 貢 寺田 千代乃
7枠 9番 ピコチャンブラック 牡3 57.0kg 石橋 脩 上原 佑紀 石部 美恵子
7枠 10番 フクノブルーレイク 牡3 57.0kg 松岡 正海 竹内 正洋 福島 祐子
8枠 11番 スナークピカソ 牡3 57.0kg 菅原 明良 高橋 一哉 杉本 豊
8枠 12番 スワローシチー 牡3 57.0kg 田辺 裕信 相沢 郁 (株)友駿ホースクラブ

スプリングステークスが12頭立てとなったのは、キタサンブラックが勝った2015年以来となる。

報知杯弥生賞ディープインパクト記念からの考察

報知杯弥生賞ディープインパクト記念、スプリングステークス、若葉ステークスは、皐月賞への優先出走権を付与するレースである。

 

既に終了した報知杯弥生賞ディープインパクト記念の結果を見てみる。

 

2025年報知杯弥生賞ディープインパクト記念(2回中山4日・中山2000m・14頭立て)

1着 ファウストラーゼン 牡3 57㎏ 5枠8番(逆7番)杉原誠人騎手 7人気

2着 ヴィンセンシオ 牡3 57㎏ 3枠3番(逆12番)ルメール騎手 2人気

3着 アロヒアリイ 牡3 57㎏ 5枠7番(逆8番)横山和生騎手 5人気

 

2025年報知杯弥生賞ディープインパクト記念を制したのは、2戦目の2歳未勝利戦(京都2000m)を勝った後、中山2000mの2歳G1のホープフルステークスで3着になっていたファウストラーゼン。

 

ファウストラーゼンの同枠馬で3着になったアロヒアリイは、東京2000mの2歳新馬戦を勝った後、中山2000mの3歳1勝クラスで2着になっていた馬。

 

2着になったヴィンセンシオは、新潟2000mの2歳新馬戦を勝った後、中山2000mの2歳1勝クラスの葉牡丹賞をレコードで勝ってきた馬。

 

ヴィンセンシオの同枠馬のベストシーンは、3戦目の2歳未勝利戦(祝日開催・東京1800m)で初勝利を挙げた後、2歳1勝クラスのひいらぎ賞(中山1600m)で3着、3歳1勝クラスのセントポーリア賞(東京1800m)で6着になっていた馬。

 

中山2000mで行われた2025年報知杯弥生賞ディープインパクト記念は、中山2000mの3歳1勝クラスで2着になっていた馬と同枠になった中山2000mの2歳G1のホープフルステークスで3着になった馬が1着、中山2000mの2歳1勝クラスを勝っていた馬が2着、中山2000mの3歳1勝クラスで2着になっていた馬が3着という結果。

結論

土曜日に行われた中山メインのアネモネステークスは、4人気になっていた1枠1番配置のトワイライトシティが1着、2着は3人気のプリムツァールが入り、1人気に支持されたアルメントフーベルは3着に終わっていた。

 

トワイライトシティは、1回中京5日に行われた中京1600mの3歳新馬戦の勝ち馬、プリムツァールは、トワイライトシティが勝った新馬戦の2着馬で、1回東京2日に行われた東京1600mの3歳未勝利戦で初勝利を挙げていた馬、3着に入ったアルメントフーベルは、5回中山6日に行われた2歳新馬戦の勝ち馬だった。

 

1回中京開催出走馬が、スプリングステークス2025の鍵かと思われたが、あいにく、スプリングステークス2025の出走馬には、日刊スポーツ賞シンザン記念で12着に敗れたレーヴブリリアントぐらいしかいない。

 

視点を変えて、土曜日に行われた中山メインのアネモネステークスを見てみる。

 

アネモネステークスは牝馬限定の3歳リステッド競走なので、2歳から3歳の間は、負担重量は馬齢戦では変わらない。

 

しかし、牡馬や騙馬の場合、2歳の9月までは55㎏斤量、2歳の10月から12月までは56㎏斤量、3歳は57㎏斤量に馬齢戦では変わっていく。

 

アネモネステークスを勝ったトワイライトシティも、アネモネステークスで2着になったプリムツァールも、年明け後に勝っているので、牡馬や騙馬で考えると、57㎏斤量で勝ったことになる。

 

スプリングステークス2025の出走馬で、57㎏斤量で賞金加算していた馬は、ダノンセンチュリー、マテンロウバローズ、スナークピカソの3頭。

 

この3頭の中では、1勝クラスを勝っていたマテンロウバローズが上位となるが、マテンロウバローズ自身は1600m戦のみの戦績で、軸にするのは怖い気がする。

 

そこで、マテンロウバローズの同枠のキングスコールを軸にしてみる。

 

重馬場となった現在の中山競馬場は、力のいる馬場であろう。

 

先行脚質であり、札幌の洋芝をこなしたキングスコールが、久々でも動けると見る。

 

相手は、スナークピカソと同枠になったスワローシチー、福島でデビュー勝ちしたピコチャンブラック、重馬場での実績があるクモヒトツナイ、重馬場適性があるか不明なダノンセンチュリーあたり。