
古馬の牝馬限定のG1レースは、エリザベス女王杯とヴィクトリアマイルの2レースしかない。
牡馬と互角に戦える牝馬以外は、この2つのレースを目標にするか、早期に引退して繁殖の道に進むかの2択を選ぶことになる。
今回は、東京1600mの牝馬限定G1のヴィクトリアマイルを考えてみたい。
ヴィクトリアマイル2025の出馬表
ヴィクトリアマイル2025には23頭が登録。
23頭の登録馬のうち、スウィープフィート、タガノエルピーダ、ドゥアイズ、バウンシーステップ、ヒルノローザンヌの5頭が除外となり、18頭立て(フルゲート)となったが、3枠6番に配置されていたミアネーロが出走を取消した。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | クリスマスパレード | 牝4 | 56.0kg | 石川 裕紀人 | 加藤 士津八 | (株)G1レーシング |
1枠 | 2番 | ステレンボッシュ | 牝4 | 56.0kg | 戸崎 圭太 | 国枝 栄 | 吉田 勝己 |
2枠 | 3番 | アルジーヌ | 牝5 | 56.0kg | D.レーン | 中内田 充正 | (株)ロードホースクラブ |
2枠 | 4番 | サフィラ | 牝4 | 56.0kg | 松山 弘平 | 池添 学 | (有)シルクレーシング |
3枠 | 5番 | ラヴェル | 牝5 | 56.0kg | 津村 明秀 | 矢作 芳人 | (有)キャロットファーム |
3枠 | 6番 | ||||||
4枠 | 7番 | ワイドラトゥール | 牝4 | 56.0kg | 北村 友一 | 藤原 英昭 | 幅田 昌伸 |
4枠 | 8番 | シンリョクカ | 牝5 | 56.0kg | 木幡 初也 | 竹内 正洋 | 由井 健太郎 |
5枠 | 9番 | アドマイヤマツリ | 牝4 | 56.0kg | 田辺 裕信 | 宮田 敬介 | 近藤 旬子 |
5枠 | 10番 | ボンドガール | 牝4 | 56.0kg | 武 豊 | 手塚 貴久 | 藤田 晋 |
6枠 | 11番 | シングザットソング | 牝5 | 56.0kg | 斎藤 新 | 高野 友和 | (有)社台レースホース |
6枠 | 12番 | シランケド | 牝5 | 56.0kg | M.デムーロ | 牧浦 充徳 | (株)ニッシンホールディングス |
7枠 | 13番 | ビヨンドザヴァレー | 牝5 | 56.0kg | 菱田 裕二 | 橋口 慎介 | (有)社台レースホース |
7枠 | 14番 | マサノカナリア | 牝4 | 56.0kg | 横山 典弘 | 藤野 健太 | 猪野毛 雅人 |
7枠 | 15番 | ソーダズリング | 牝5 | 56.0kg | 坂井 瑠星 | 新谷 功一 | (有)社台レースホース |
8枠 | 16番 | クイーンズウォーク | 牝4 | 56.0kg | 川田 将雅 | 中内田 充正 | (有)サンデーレーシング |
8枠 | 17番 | アスコリピチェーノ | 牝4 | 56.0kg | C.ルメール | 黒岩 陽一 | (有)サンデーレーシング |
8枠 | 18番 | アリスヴェリテ | 牝5 | 56.0kg | 池添 謙一 | 中竹 和也 | 加藤 誠 |
社台レースホースが馬主のビヨンドザヴァレーとソーダズリングが同枠、サンデーレーシングが馬主のクイーンズウォークとアスコリピチェーノが同枠になったため、ヴィクトリアマイル2025は染め分け帽戦になっている。
NHKマイルカップからの考察
今年のヴィクトリアマイルの1着賞金は1億3000万円となっている。
この金額は、NHKマイルカップとエリザベス女王杯の1着賞金と同額となっている。
まずは、既に終了した今年のNHKマイルカップから考えてみたい。
2025年NHKマイルカップ(18頭立て)
1着 パンジャタワー 牡3 57㎏ 6枠11番(逆8番)松山弘平騎手 9人気
2着 マジックサンズ 牡3 57㎏ 5枠10番(逆9番)武豊騎手 3人気
3着 チェルビアット 牝3 55㎏ 2枠3番(逆16番)ディー騎手 12人気
今年のNHKマイルカップを制したのは、9人気のパンジャタワー。
パンジャタワーは、中京1200mの2歳新馬戦と東京1400mの京王杯2歳ステークスを勝った後、賞金加算がなかった馬。
パンジャタワーの同枠のマピュースは、桜花賞で4着に入り、優駿牝馬への優先出走権を持っていた馬。
2着に入ったマジックサンズは、函館1800mの2歳新馬戦と札幌1800mの札幌2歳ステークスを連勝した後、ホープフルステークス16着、皐月賞6着だった3人気の馬。
マジックサンズの同枠のマイネルチケットは、京王杯2歳ステークスで2着に入った後、中京開催の日刊スポーツ賞シンザン記念に出走して4着だった馬。
3着になったチェルビアットは、4戦目の小倉1200mの3歳未勝利戦で初勝利を挙げた後、報知杯フィリーズレビューの出走して2着になっていた馬。
今年のNHKマイルカップで気になるのは、桜花賞で4着に入りながら、優駿牝馬ではなくNHKマイルカップを選択してきたマピュースと同枠になったパンジャタワーが1着になったことである。
出走取消戦からの考察
今年のヴィクトリアマイルは出走取消戦となった。
過去のヴィクトリアマイルで、出走取消戦となったのは、アーモンドアイが勝った2020年だけである。
2020年ヴィクトリアマイルは、1人気の5歳馬アーモンドアイが勝利したが、アーモンドアイは桜花賞、優駿牝馬、秋華賞の牝馬3冠をすべて出走取消戦で勝ってきた馬である。
そして、アーモンドアイの前走は、有馬記念1人気9着であり、年明け後の出走がなかった馬。
2着に入ったサウンドキアラは、スポーツニッポン賞京都金杯(京都1600m)、京都牝馬ステークス(京都1400m)、サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(阪神1600m)を3連勝していた5歳馬。
3着になったノームコアは、サウンドキアラの同枠馬で、前年のヴィクトリアマイルを勝った後、東京1600mの富士ステークスを勝利していた5歳馬。
なお、2020年ヴィクトリアマイルを出走取消したディメンシオンは6歳馬、セラピアは4歳馬だった。
結論
今年のヴィクトリアマイルには、アーモンドアイのような出走取消戦のG1で勝ち続けてきた馬はいない。
となると、何らかの不足性のある馬が勝つと思う。
今一つ自信はないが、東京1600mの戦歴の刻み方が良いボンドガールを軸にしてみる。
相手は、シランケド、アスコリピチェーノ、クイーンズウォーク、サフィラ、ビヨンドザヴァレーあたりで。