ヴィクトリアマイル2025(第20回)の考察

古馬の牝馬限定のG1レースは、エリザベス女王杯とヴィクトリアマイルの2レースしかない。

 

牡馬と互角に戦える牝馬以外は、この2つのレースを目標にするか、早期に引退して繁殖の道に進むかの2択を選ぶことになる。

 

今回は、東京1600mの牝馬限定G1のヴィクトリアマイルを考えてみたい。

ヴィクトリアマイル2025の出馬表

ヴィクトリアマイル2025には23頭が登録。

 

23頭の登録馬のうち、スウィープフィート、タガノエルピーダ、ドゥアイズ、バウンシーステップ、ヒルノローザンヌの5頭が除外となり、18頭立て(フルゲート)となったが、3枠6番に配置されていたミアネーロが出走を取消した。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 クリスマスパレード 牝4 56.0kg 石川 裕紀人 加藤 士津八 (株)G1レーシング
1枠 2番 ステレンボッシュ 牝4 56.0kg 戸崎 圭太 国枝 栄 吉田 勝己
2枠 3番 アルジーヌ 牝5 56.0kg D.レーン 中内田 充正 (株)ロードホースクラブ
2枠 4番 サフィラ 牝4 56.0kg 松山 弘平 池添 学 (有)シルクレーシング
3枠 5番 ラヴェル 牝5 56.0kg 津村 明秀 矢作 芳人 (有)キャロットファーム
3枠 6番 ミアネーロ 牝4 56.0kg M.ディー 林 徹 (有)シルクレーシング
4枠 7番 ワイドラトゥール 牝4 56.0kg 北村 友一 藤原 英昭 幅田 昌伸
4枠 8番 シンリョクカ 牝5 56.0kg 木幡 初也 竹内 正洋 由井 健太郎
5枠 9番 アドマイヤマツリ 牝4 56.0kg 田辺 裕信 宮田 敬介 近藤 旬子
5枠 10番 ボンドガール 牝4 56.0kg 武 豊 手塚 貴久 藤田 晋
6枠 11番 シングザットソング 牝5 56.0kg 斎藤 新 高野 友和 (有)社台レースホース
6枠 12番 シランケド 牝5 56.0kg M.デムーロ 牧浦 充徳 (株)ニッシンホールディングス
7枠 13番 ビヨンドザヴァレー 牝5 56.0kg 菱田 裕二 橋口 慎介 (有)社台レースホース
7枠 14番 マサノカナリア 牝4 56.0kg 横山 典弘 藤野 健太 猪野毛 雅人
7枠 15番 ソーダズリング 牝5 56.0kg 坂井 瑠星 新谷 功一 (有)社台レースホース
8枠 16番 クイーンズウォーク 牝4 56.0kg 川田 将雅 中内田 充正 (有)サンデーレーシング
8枠 17番 アスコリピチェーノ 牝4 56.0kg C.ルメール 黒岩 陽一 (有)サンデーレーシング
8枠 18番 アリスヴェリテ 牝5 56.0kg 池添 謙一 中竹 和也 加藤 誠

社台レースホースが馬主のビヨンドザヴァレーとソーダズリングが同枠、サンデーレーシングが馬主のクイーンズウォークとアスコリピチェーノが同枠になったため、ヴィクトリアマイル2025は染め分け帽戦になっている。

NHKマイルカップからの考察

今年のヴィクトリアマイルの1着賞金は1億3000万円となっている。

 

この金額は、NHKマイルカップとエリザベス女王杯の1着賞金と同額となっている。

 

まずは、既に終了した今年のNHKマイルカップから考えてみたい。

 

2025年NHKマイルカップ(18頭立て)

1着 パンジャタワー 牡3 57㎏ 6枠11番(逆8番)松山弘平騎手 9人気

2着 マジックサンズ 牡3 57㎏ 5枠10番(逆9番)武豊騎手 3人気

3着 チェルビアット 牝3 55㎏ 2枠3番(逆16番)ディー騎手 12人気

 

今年のNHKマイルカップを制したのは、9人気のパンジャタワー。

 

パンジャタワーは、中京1200mの2歳新馬戦と東京1400mの京王杯2歳ステークスを勝った後、賞金加算がなかった馬。

 

パンジャタワーの同枠のマピュースは、桜花賞で4着に入り、優駿牝馬への優先出走権を持っていた馬。

 

2着に入ったマジックサンズは、函館1800mの2歳新馬戦と札幌1800mの札幌2歳ステークスを連勝した後、ホープフルステークス16着、皐月賞6着だった3人気の馬。

 

マジックサンズの同枠のマイネルチケットは、京王杯2歳ステークスで2着に入った後、中京開催の日刊スポーツ賞シンザン記念に出走して4着だった馬。

 

3着になったチェルビアットは、4戦目の小倉1200mの3歳未勝利戦で初勝利を挙げた後、報知杯フィリーズレビューの出走して2着になっていた馬。

 

今年のNHKマイルカップで気になるのは、桜花賞で4着に入りながら、優駿牝馬ではなくNHKマイルカップを選択してきたマピュースと同枠になったパンジャタワーが1着になったことである。

出走取消戦からの考察

今年のヴィクトリアマイルは出走取消戦となった。

 

過去のヴィクトリアマイルで、出走取消戦となったのは、アーモンドアイが勝った2020年だけである。

 

2020年ヴィクトリアマイルは、1人気の5歳馬アーモンドアイが勝利したが、アーモンドアイは桜花賞、優駿牝馬、秋華賞の牝馬3冠をすべて出走取消戦で勝ってきた馬である。

 

そして、アーモンドアイの前走は、有馬記念1人気9着であり、年明け後の出走がなかった馬。

 

2着に入ったサウンドキアラは、スポーツニッポン賞京都金杯(京都1600m)、京都牝馬ステークス(京都1400m)、サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(阪神1600m)を3連勝していた5歳馬。

 

3着になったノームコアは、サウンドキアラの同枠馬で、前年のヴィクトリアマイルを勝った後、東京1600mの富士ステークスを勝利していた5歳馬。

 

なお、2020年ヴィクトリアマイルを出走取消したディメンシオンは6歳馬、セラピアは4歳馬だった。

結論

今年のヴィクトリアマイルには、アーモンドアイのような出走取消戦のG1で勝ち続けてきた馬はいない。

 

となると、何らかの不足性のある馬が勝つと思う。

 

今一つ自信はないが、東京1600mの戦歴の刻み方が良いボンドガールを軸にしてみる。

 

相手は、シランケド、アスコリピチェーノ、クイーンズウォーク、サフィラ、ビヨンドザヴァレーあたりで。