2014年オークスからの考察
今年の桜花賞は、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のステレンボッシュが勝った。
阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬が、桜花賞を勝ったのは、2002年のアローキャリー、2014年のハープスター、2015年のレッツゴードンキ、そして、2024年のステレンボッシュの4頭。
ただし、今年のオークスには、桜花賞2着馬のアスコリピチェーノは登録すらしてこなかった。
2002年、2014年、2015年のオークスで、桜花賞2着馬が出走してこなかったのは、2014年しかない。
2014年オークスは、チューリップ賞2着、桜花賞3着馬の2人気ヌーヴォレコルトが勝ち、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞1着の1人気ハープスターがゾロ目の2着、フラワーカップ1着から皐月賞に挑戦し11着に敗れていた3人気バウンスシャッセが3着という結果だった。
2014年オークスの結果から考えると、ステレンボッシュは連対するものの、2着止まりの感じ。
2011年オークスからの考察
一昨年、スターズオンアースが、桜花賞とオークスを制した後、秋華賞に出走して3着になった。(牝馬2冠達成)
昨年、リバティアイランドが、桜花賞とオークスを制した後、秋華賞に出走して優勝した。(牝馬3冠達成)
これって、2009年牝馬2冠達成を達成した後、秋華賞に出走し3着に終わったブエナビスタ、2010年牝馬3冠を達成したアパパネに似ていると思うのは、ウマゾーだけだろうか?
アパパネが牝馬3冠を達成した翌年の2011年桜花賞の1着馬はマルセリーナで、2011年桜花賞は2着馬と3着馬が同枠のワイドゾロ目が発生している。
2011年桜花賞を制したマルセリーナはエルフィンステークス1着馬で、2011年桜花賞で2着になったホエールキャプチャは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬である。
今年、桜花賞を勝ったステレンボッシュは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬であり、ステレンボッシュと同枠配置のライトバックはエルフィンステークス1着馬である。
今年の牝馬クラシックは、2011年を意識しているのではないだろうか?
では、2011年オークスの結果を見てみる。
2011年オークスを制したのは、3歳500万下条件戦(阪神1800m)で2勝目を挙げた後、忘れな草賞を勝っていた7人気のエリンコート。
エリンコートの同枠馬のバウンシーチューンは、チューリップ賞と同日に行われた3歳未勝利戦(中山1800m)を勝った後、サンケイスポーツ賞フローラステークスに出走し、1着になっている馬。
2011年オークスで2着になった8人気のピュアブリーゼは、サンケイスポーツ賞フローラステークス3着歴を持つ1勝馬。(2011年当時のサンケイスポーツ賞フローラステークスは、3着までオークスの優先出走権を付与)
ピュアブリーゼの同枠のマイネイサベルは、新潟2歳ステークス1着馬で、デイリー杯クイーンカップ2着、サンケイスポーツ賞フローラステークス5着歴を持つ馬。
ピュアブリーゼの同枠のグルヴェイグは、エルフィンステークス3着の後、5月に行われた矢車賞(3歳牝馬限定500万下条件戦・京都1800m)を勝ってきた3人気の馬。
3着に入ったホエールキャプチャは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞2着だった2人気の馬。
エルフィンステークスを勝った後、桜花賞を制しているマルセリーナは、1人気に支持されたが、4着に敗退。
しかし、マルセリーナは2着馬の平行配置となっている。
ここで注目したいのが、2011年オークスを勝ったエリンコートの戦歴である。
エリンコートが勝った忘れな草賞は、阪神2000mのカク指定別定戦である。
前年の2010年の忘れな草賞は、阪神2000mの特指別定戦であり、翌年の2012年の忘れな草賞は、土曜日開催の阪神2000mの特指別定戦となっている。
エリンコートが勝った2011年忘れな草賞だけが、阪神2000mのカク指定別定戦だったのだ。
今から10年以上も前のことだが、主催者は、こうした手段を使ってくる。
今年、主催者はどんな変更をしてきたのだろう。
すべては、出馬表に揃っているはずだ!!
オークス2024の出馬表
オークス2024には18頭が登録し、18頭全頭が出走してきた。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | ミアネーロ | 牝3 | 55.0kg | 津村 明秀 | 林 徹 | (有)シルクレーシング |
1枠 | 2番 | クイーンズウォーク | 牝3 | 55.0kg | 川田 将雅 | 中内田 充正 | (有)サンデーレーシング |
2枠 | 3番 | エセルフリーダ | 牝3 | 55.0kg | 武藤 雅 | 武藤 善則 | 高橋 文男 |
2枠 | 4番 | パレハ | 牝3 | 55.0kg | 田辺 裕信 | 新谷 功一 | 中村 忠彦 |
3枠 | 5番 | コガネノソラ | 牝3 | 55.0kg | 石川 裕紀人 | 菊沢 隆徳 | (有)ビッグレッドファーム |
3枠 | 6番 | サンセットビュー | 牝3 | 55.0kg | 三浦 皇成 | 新谷 功一 | 飯田 貴大 |
4枠 | 7番 | ステレンボッシュ | 牝3 | 55.0kg | 戸崎 圭太 | 国枝 栄 | 吉田 勝己 |
4枠 | 8番 | ホーエリート | 牝3 | 55.0kg | 原 優介 | 田島 俊明 | 吉田 晴哉 |
5枠 | 9番 | ラヴァンダ | 牝3 | 55.0kg | 岩田 望来 | 中村 直也 | 森永 聡 |
5枠 | 10番 | アドマイヤベル | 牝3 | 55.0kg | 横山 武史 | 加藤 征弘 | 近藤 旬子 |
6枠 | 11番 | ヴィントシュティレ | 牝3 | 55.0kg | 北村 宏司 | 古賀 慎明 | (有)キャロットファーム |
枠 | 12番 | チェルヴィニア | 牝3 | 55.0kg | C.ルメール | 木村 哲也 | (有)サンデーレーシング |
7枠 | 13番 | スウィープフィート | 牝3 | 55.0kg | 武 豊 | 庄野 靖志 | (株)YGGホースクラブ |
7枠 | 14番 | ライトバック | 牝3 | 55.0kg | 坂井 瑠星 | 茶木 太樹 | 増田 和啓 |
7枠 | 15番 | サフィラ | 牝3 | 55.0kg | 松山 弘平 | 池添 学 | (有)シルクレーシング |
8枠 | 16番 | ショウナンマヌエラ | 牝3 | 55.0kg | 岩田 康誠 | 高野 友和 | 国本 哲秀 |
8枠 | 17番 | タガノエルピーダ | 牝3 | 55.0kg | M.デムーロ | 斉藤 崇史 | 八木 良司 |
8枠 | 18番 | ランスオブクイーン | 牝3 | 55.0kg | 横山 和生 | 奥村 豊 | 五影 慶則 |
キズナ産駒のクイーンズウォークとタガノエルピーダが対角配置となっている。
出馬構成からの考察
いつものオークスには存在しない馬が、今年のオークスにはいる。
前走で未勝利勝ちをしてきた馬が2頭もいるのだ。
桜花賞で2着になったアスコリピチェーノが、NHKマイルカップに出走したり、桜花賞で5着になったエトヴプレが、オークスに登録すらしてこなかった影響もあり、いつものオークスなら除外になっていた前走で未勝利勝ちをしてきた馬が、登録馬が少なかったせいか、まんまと出走にこぎつけたのだ。
前走で未勝利勝ちをしてきた馬が出走してきたオークスは、ウマゾーが調べたところ、2001年以降では、2004年と2011年の2回。
2011年は、前述しているので、2004年オークスの結果を見てみよう。
2004年オークスの1着馬は、6人気のダイワエルシエーロ。
ダイワエルシエーロは、阪神1600mの2歳新馬戦を勝った後、京都1400mの紅梅ステークス2着、デイリー杯クイーンカップ1着、桜花賞7着の成績を残していた馬。
ダイワエルシエーロの同枠のマルカフローリアンは、サンケイスポーツ賞フローラステークスで7着同着になった後、5月に行われた500万下条件戦の矢車賞(京都1800m)を勝ってきたブービー人気の馬。
ダイワエルシエーロの同枠のレイナシンフォニーは、阪神1600mの3歳500万下条件戦を勝った後、サンケイスポーツ賞フローラステークスに出走して4着になっていた馬。
2004年オークスの2着馬のスイープトウショウは、阪神ジュベナイルフィリーズで5着になった後、紅梅ステークス1着、チューリップ賞1着、桜花賞5着になっていた馬。
スイープトウショウの同枠のセカンドノホシは、サンケイスポーツ賞フローラステークスで5着になっていたマル地の馬。
2004年オークスの3着馬のヤマニンアラバスタは、フラワーカップ2着、桜花賞9着の成績を残していた馬。
この2004年オークスでの注目点は、ダイワエルシエーロの勝ったデイリー杯クイーンカップである。
ダイワエルシエーロが勝ったデイリー杯クイーンカップは、東京1600mで行われた例年通りのデイリー杯クイーンカップだったが、その前年にあたる2003年デイリー杯クイーンカップは中山1600mで行われていた。
つまり、ダイワエルシエーロが勝ったデイリー杯クイーンカップは、中山開催から東京開催に戻ったレースだったということ。
前述した2011年オークス1着馬のエリンコートは、特指別定戦からカク指定別定戦に変更された忘れな草賞を勝ってきた馬であり、2004年オークス優勝馬のダイワエルシエーロは、中山開催から東京開催に変更されたデイリー杯クイーンカップを勝ってきた馬である。
前走で未勝利勝ちをしてきた馬が出走してきたオークスは、何らかの変更が行われてきたレースを勝ってきた馬が1着馬に選ばれている。
結論
2011年オークス1着馬のエリンコートは、特指別定戦からカク指定別定戦に変更された忘れな草賞を勝ってきた馬、2004年オークス1着馬のダイワエルシエーロは、中山開催から東京開催に変更されたデイリー杯クイーンカップを勝ってきた馬で、桜花賞は7着に敗れている。
ということは、前走で未勝利勝ちをしてきた馬が出走してきたオークスは、1着馬にオークスの優先出走権を付与されていない馬を選んでいるということである。
もし、今年のオークスも、2004年と2011年のオークスと同じことをするならば、1着馬に優先出走権が付与されていない馬が選ばれることになる。
気になるのは、1枠の両頭。
今年、G3重賞は別定戦から馬齢戦に変更された。
そこで、ミアネーロとクイーンズウォークからステレンボッシュ(ホーエリート)に流してみる。
後は、8頭立ての忘れな草賞を勝ってきたタガノエルピーダあたりが気になるが…
回顧
今年のオークスは堅い決着だった。
2014年オークスの焼き直しという感じ。
2014年オークスは、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞1着の成績を残していた1人気のハープスターが2着。
ハープスターの同枠馬で、桜花賞3着馬で2人気になっていたヌーヴォレコルトが1着。
3着馬には、皐月賞で11着同着になっていた3人気のバウンスシャッセが3着という結果だった。
今年のオークスは、1人気のステレンボッシュと2人気のチェルヴィニアが対角配置だった。
そして、3人気のライトバックが3着という着順をもらっている。
2014年オークス(18頭立て)
1着 ヌーヴォレコルト 5枠9番 2人気
2着 ハープスター 5枠10番 1人気 阪神ジュベナイルフィリーズ2着 桜花賞1着
3着 バウンスシャッセ 3枠5番(逆14番) 3人気
2024年オークス(18頭立て)
1着 チェルヴィニア 6枠12番(逆7番)2人気
2着 ステレンボッシュ 4枠7番(逆12番)1人気 阪神ジュベナイルフィリーズ2着 桜花賞1着
3着 ライトバック 7枠14番(逆5番) 3人気
チェルヴィニアは、ステレンボッシュの対角に座り、前走で3歳未勝利戦を勝ちあがったヴィントシュティレと同枠になったことが勝因だったのだろう。