秋華賞2023の考察

牝馬2冠馬出走からの考察

桜花賞、オークス、秋華賞を勝利した馬は、牝馬3冠馬といわれる。

 

ただし、クラシックといわれる桜花賞とオークスと異なり、秋華賞は3歳牝馬G1に過ぎない。

 

1着賞金から見ても、秋華賞は桜花賞とオークスよりも賞金額が低く設計されている。

 

さて、今年の秋華賞には、桜花賞とオークスに加え、阪神ジュベナイルフィリーズという2歳牝馬G1を勝っているリバティアイランドが秋華賞のステップレースに出走せず、直接、秋華賞に登録してきた。

 

過去に、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークスを勝った馬が、秋華賞に出走してきたケースは、ブエナビスタしかいない。

 

では、ブエナビスタが出走した2009年秋華賞の結果を見てみる。

 

2009年秋華賞(4回京都4日・18頭立て)

1着 レッドディザイア 牝3 55㎏ 3枠5番(逆14番)四位洋文騎手 2人気

前走 関西テレビ放送賞ローズステークス(阪神1800m・指定・馬齢)1人気2着

前々走 オークス(東京2400m)2人気2着

1着同枠 ヴィーヴァヴォドカ 牝3 55㎏ 村田一誠騎手 16人気

前走 紫苑ステークス(OP・中山2000m・指定・馬齢)3人気15着

前々走 オークス(東京2400m)9人気10着(2着同枠)

2着 ブロードストリート 牝3 55㎏ 6枠12番(逆7番)藤田伸二騎手 3人気

前走 関西テレビ放送賞ローズステークス(阪神1800m・指定・馬齢)5人気1着

前々走 オークス(東京2400m)6人気4着

2着同枠 ワンカラット 牝3 55㎏ 藤岡佑介騎手 15人気

前走 関西テレビ放送賞ローズステークス(阪神1800m・指定・馬齢)6人気10着

前々走 NHKマイルカップ(東京1600m)6人気6着

3着(2着降格)ブエナビスタ 牝3 55㎏ 2枠3番(逆16番)安藤勝己騎手 1人気

前走 札幌記念(札幌2000m・特指・定量)1人気2着

前々走 オークス(東京2400m)1人気1着

 

 

2009年秋華賞を制したレッドディザイアは、別定戦のエルフィンステークスを勝った後、桜花賞2着、オークス2着、関西テレビ放送賞ローズステークス2着と3戦連続2着になっていた2勝馬。

 

レッドディザイアの同枠のヴィーヴァヴォドカは、別定戦のフラワーカップを勝った後、桜花賞12着、オークス10着、紫苑ステークス15着に敗れていた馬で、オークスでもレッドディザイアの同枠に配置されていた。

 

2着になったブロードストリートは、別定戦の忘れな草賞で2着、指定戦のスイートピーステークスで1着、オークスで4着、関西テレビ放送賞ローズステークスで1着になっていた4勝馬。

 

ブロードストリートの同枠のワンカラットは、報知杯フィリーズレビュー1着の後、桜花賞に出走し4着に入り、オークスの優先出走権を獲りながら、オークスに出走せず、NHKマイルカップに出走して6着、そして、関西テレビ放送賞ローズステークスに出走して10着に惨敗していた馬。

 

2着降格の3着になったブエナビスタは、新馬戦から秋華賞まで1人気を維持していた馬で、阪神ジュベナイルフィリーズ1着の後、チューリップ賞1着、桜花賞1着、オークス1着、札幌記念2着の成績を残していた5勝馬。

 

ブエナビスタとリバティアイランドの共通点は、新馬戦から秋華賞まで1人気を維持していたこと(リバティアイランドは秋華賞に出走した場合、1人気が予想される)、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークスを勝っていること。

 

ブエナビスタとリバティアイランドの相違点は、古馬戦の札幌記念の出走の有無。

 

リバティアイランドは、アルテミスステークスで2着(阪神ジュベナイルフィリーズの地方馬優先出走ルート)に入り、阪神ジュベナイルフィリーズで1着。

 

阪神ジュベナイルフィリーズ1着後に、直接、桜花賞に出走して1着。(桜花賞の地方馬優先出走ルートは過去1年間の芝G1の1着馬という条件もあり)

 

桜花賞1着後に、オークスに出走して1着。(桜花賞5着以内馬はオークスへの優先出走権を持つ)

 

オークス1着後は、秋華賞へ直接出走予定。(秋華賞の地方馬優先出走ルートに過去1年間の芝G1の1着馬という条件に合致)

 

リバティアイランドは、手順を踏んでいる馬である。

秋華賞2023の出馬表

秋華賞2023の登録馬は23頭。

 

23頭の登録馬のうち、シランケドとシンリョクカが回避、キミノナハマリアとミタマが除外、フェアエールングが抽選で外れ、18頭立てとなった。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 フェステスバント 牝3 55.0kg 酒井 学 藤岡 健一 吉田 照哉
1枠 2番 ハーパー 牝3 55.0kg C.ルメール 友道 康夫 エムズレーシング
2枠 3番 マラキナイア 牝3 55.0kg 池添 謙一 吉岡 辰弥 (有)社台レースホース
2枠 4番 コナコースト 牝3 55.0kg 鮫島 克駿 清水 久詞 (有)サンデーレーシング
3枠 5番 ドゥーラ 牝3 55.0kg 斎藤 新 高橋 康之 サイプレスホールディングス(同)
3枠 6番 リバティアイランド 牝3 55.0kg 川田 将雅 中内田 充正 (有)サンデーレーシング
4枠 7番 マスクトディーヴァ 牝3 55.0kg 岩田 望来 辻野 泰之 (有)社台レースホース
4枠 8番 モリアーナ 牝3 55.0kg 横山 典弘 武藤 善則 高橋 文男
5枠 9番 ミシシッピテソーロ 牝3 55.0kg 石川 裕紀人 畠山 吉宏 了德寺健二ホールディングス(株)
5枠 10番 グランベルナデット 牝3 55.0kg 松山 弘平 大竹 正博 DMMドリームクラブ(株)
6枠 11番 キタウイング 牝3 55.0kg 江田 照男 小島 茂之 (有)ミルファーム
6枠 12番 ドゥアイズ 牝3 55.0kg 西村 淳也 庄野 靖志 (株)G1レーシング
7枠 13番 ラヴェル 牝3 55.0kg 坂井 瑠星 矢作 芳人 (有)キャロットファーム
7枠 14番 コンクシェル 牝3 55.0kg 幸 英明 清水 久詞 前田 晋二
7枠 15番 ヒップホップソウル 牝3 55.0kg 横山 武史 木村 哲也 (有)社台レースホース
8枠 16番 ピピオラ 牝3 55.0kg 藤岡 康太 武 幸四郎 ストレートレーシング
8枠 17番 ソレイユヴィータ 牝3 55.0kg 武 豊 杉山 晴紀 杉山 忠国
8枠 18番 エミュー 牝3 55.0kg M.デムーロ 和田 正一郎 前田 幸治

母の父がキングカメハメハのマラキナイアとコナコーストが、2枠に集められている。

北海道新聞杯クイーンステークス1着馬出走からの考察

今年の北海道新聞杯クイーンステークスの1着馬は、3歳馬のドゥーラ。

 

そのドゥーラが、秋華賞2023に出走してきた。

 

北海道新聞杯クイーンステークスは、2000年に出走条件が4歳以上に変更されたレースで、2000年以降に、3歳馬が北海道新聞杯クイーンステークスを制したのが、2003年、2010年、2011年、2012年、2017年の5回。

 

この5回の北海道新聞杯クイーンステークス優勝馬は、いずれも、秋華賞に出走している。

 

秋華賞2023に出走するドゥーラは、札幌2歳ステークスを勝利し、オークスで3着に入った経験を持っているが、2003年、2010年、2011年、2012年、2017年の5回の北海道新聞杯クイーンステークス優勝馬で、ドゥーラに一番近いのが、2012年北海道新聞杯クイーンステークス1着馬のアイムユアーズだと思う。

 

アイムユアーズは、報知杯フィリーズレビュー1着馬で、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞3着、オークス4着歴も持っている。

 

3歳G1の3着馬という共通点が、アイムユアーズとドゥーラにはある。

 

では、アイムユアーズが出走した2012年秋華賞の結果を見てみる。

 

2012年秋華賞(4回京都5日・18頭立て)

1着 ジェンティルドンナ 牝3 55㎏ 7枠14番(逆5番)岩田康誠騎手 1人気

前走 関西テレビ放送賞ローズステークス(阪神1800m・指定・馬齢)1人気1着(ゾロ目)

前々走 オークス(東京2400m)3人気1着

2着  ヴィルシーナ 牝3 55㎏ 1枠1番(逆18番)内田博幸騎手 2人気

前走 関西テレビ放送賞ローズステークス(阪神1800m・指定・馬齢)2人気2着(ゾロ目)

前々走 オークス(東京2400m)2人気2着

3着 アロマティコ 牝3 55㎏ 1枠2番(逆17番)佐藤哲三騎手 6人気

前走 3歳以上1600万下条件戦・ムーンライトハンデキャップ(阪神2000m)1人気3着

前々走 3歳以上1000万下条件戦・西海賞(小倉1800m)1人気1着

6着 アイムユアーズ 牝3 55㎏ 8枠17番(逆2番)池添謙一騎手 3人気

前走 北海道新聞杯クイーンステークス(札幌1800m・特指・別定)1人気1着

前々走 オークス(東京2400m)4人気4着

 

2012年秋華賞は、1人気に支持されたジェンティルドンナが牝馬3冠を達成している。

 

ジェンティルドンナは、オークスを勝った後、関西テレビ放送賞ローズステークスに出走して、ゾロ目の1着になっている馬。

 

2着になったヴィルシーナは、デイリー杯クイーンカップ1着から桜花賞2着に入り、オークス2着、関西テレビ放送賞ローズステークス2着になっていた馬。

 

3着に入ったアロマティコは、小倉1800mの3歳以上1000万下条件戦の西海賞を1人気で勝った後、阪神2000mの3歳以上1600万下条件戦のムーンライトハンデキャップで1人気になったものの3着に敗れていたノーザンファーム生産馬。

 

桜花賞3着、オークス4着、北海道新聞杯クイーンステークス1着のアイムユアーズは6着に敗れたが、3着になっていたアロマティコの対角配置になっていた。

結論

今年の秋華賞のポイントは、阪神競馬場開催から京都競馬場への開催場所変更もあるが、ステップレースの紫苑ステークスのG2昇格が大きいと思われる。

 

2018年に、チューリップ賞がG3からG2に昇格されたが、G2昇格初年度のチューリップ賞で1着になっていたラッキーライラックが桜花賞で2着、チューリップ賞で3着になっていたリリーノーブルが桜花賞で3着になっていた。

 

このことからも、紫苑ステークス組には気を付けたいところ。

 

ただし、紫苑ステークス1着馬のモリアーナは、関西テレビ放送賞ローズステークス1着馬のマスクトディーヴァと同枠配置になっている。

 

これを封じ込めと見るかは個人の見解次第であろう。

 

ウマゾーは封じ込めと考えるが…

 

モリアーナはないと考えると、紫苑ステークス組では、2着馬のヒップホップソウルあるいは紫苑ステークス1人気のグランベルナデットが浮上する。

 

そこで、リバティアイランドからヒップホップソウル、グランベルナデット、マラキナイア、コナコーストあたりに流してみる。