サマースプリントシリーズからの考察
今年のサマースプリントシリーズは、サトノレーヴが、シリーズチャンピオンに輝いた。
サトノレーヴは、シリーズ第1戦の函館スプリントステークスを勝った後、シリーズ第5戦のキーンランドカップまで出走せず、そのキーンランドカップで2人気に支持され勝利し、シリーズ第6戦の産経賞セントウルステークスに出走しないで、シリーズチャンピオンになった馬である。
産経賞セントウルステークスに出走しないで、サマースプリントシリーズのチャンピオンになった馬は、2010年のワンカラット、2015年のベルカント、2016年のベルカント、2018年のアレスバローズ、2020年のレッドアンシェル、2021年のファストフォース、2022年のナムラクレア、2023年のジャスパークローネ、そして、今年のサトノレーヴ。
ただし、2015年のベルカント、2016年のベルカント、2018年のアレスバローズ、2020年のレッドアンシェル、2021年のファストフォース、2022年のナムラクレア、2023年のジャスパークローネは、キーンランドカップに出走すらしていない。
残ったのは、2010年のサマースプリントシリーズを制したワンカラット。
奇しくも、2010年のサマースプリントシリーズのシリーズチャンピオンになったワンカラットは、サトノレーヴと同じく、函館スプリントステークスとキーンランドカップのみに出走し、勝ってきた馬だった。
では、2010年のスプリンターズステークスの結果を見てみる。
2010年スプリンターズステークス(10月3日開催・4回中山8日・16頭立て)
1着 ウルトラファンタジー 外国馬 せん8 57㎏ 4枠7番(逆10番)ライ騎手 10人気
前走 シャティンヴァーズ(香港1200m)最下位 59㎏斤量
前々走 スプリントカップ(香港1200m)1着
2着 キンシャサノキセキ マル外 牡7 57㎏ 7枠14番(逆3番)四位洋文騎手 3人気
前走 セントウルステークス(阪神1200m・指定・別定)出走取消 59㎏斤量
前々走 高松宮記念(中京1200m)1人気1着
3着 サンカルロ 牡4 57㎏ 2枠3番(逆14番)吉田豊騎手 7人気
前走 京成杯オータムハンデキャップ(中山1600m・特指・ハンデ)3人気5着
前々走 安田記念(東京1600m)14人気13着(1着同枠)
2010年スプリンターズステークスを勝ったのは、外国馬のウルトラファンタジー。
ウルトラファンタジーは、前走で59㎏を背負い、最下位に敗れていた8歳騙馬。
ウルトラファンタジーの同枠のワンカラットは、函館スプリントステークスとキーンランドカップを制し、サマースプリントシリーズのシリーズチャンピオンになっていた2人気の4歳牝馬。
2着になったキンシャサノキセキは、同年の夕刊フジ賞オーシャンステークスと高松宮記念を勝っていた馬で、サマースプリントシリーズのセントウルステークスを出走取消していたマル外の7歳馬。
キンシャサノキセキの同枠のマルカフェニックスは、同年の京王杯スプリングカップで2着になっていた6歳馬。
3着に入ったサンカルロは、同年の高松宮記念で1着対角の4着になっていた馬。
なお、2010年のスプリンターズステークスは、3歳馬のダッシャーゴーゴーが2着から4着に降着となっていた。
ダッシャーゴーゴーは、同年のセントウルステークスを勝っていた6人気の馬だった。
2010年のスプリンターズステークスの結果から考えると、サマースプリントシリーズのシリーズチャンピオンになっているサトノレーヴ、今年の高松宮記念を勝っているマッドクールあたりは気になる。
スプリンターズステークス2024の出馬表
スプリンターズステークス2024の登録・招待馬は18頭。
18頭の登録・招待馬のうち、モリノドリームとレイベリングが除外となり、16頭立て(フルゲート)となった。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | オオバンブルマイ | 牡4 | 58.0kg | 武 豊 | 吉村 圭司 | 岡 浩二 |
1枠 | 2番 | トウシンマカオ | 牡5 | 58.0kg | 菅原 明良 | 高柳 瑞樹 | (株)サトー |
2枠 | 3番 | ウインマーベル | 牡5 | 58.0kg | 松山 弘平 | 深山 雅史 | (株)ウイン |
2枠 | 4番 | エイシンスポッター | 牡5 | 58.0kg | A.シュタルケ | 吉村 圭司 | (株)栄進堂 |
3枠 | 5番 | ナムラクレア | 牝5 | 56.0kg | 横山 武史 | 長谷川 浩大 | 奈村 睦弘 |
3枠 | 6番 | ママコチャ | 牝5 | 56.0kg | 川田 将雅 | 池江 泰寿 | 金子真人ホールディングス(株) |
4枠 | 7番 | マッドクール | 牡5 | 58.0kg | 坂井 瑠星 | 池添 学 | (有)サンデーレーシング |
4枠 | 8番 | モズメイメイ | 牝4 | 56.0kg | 国分 恭介 | 音無 秀孝 | (株)キャピタル・システム |
5枠 | 9番 | ムゲン | せん6 | 58.0kg | K.ティータン | P.ン | インフィニテュード・シンジケート |
5枠 | 10番 | ピューロマジック | 牝3 | 54.0kg | 横山 典弘 | 安田 翔伍 | (株)スリーエイチレーシング |
6枠 | 11番 | ダノンスコーピオン | 牡5 | 58.0kg | 戸崎 圭太 | 福永 祐一 | (株)ダノックス |
6枠 | 12番 | サトノレーヴ | 牡5 | 58.0kg | D.レーン | 堀 宣行 | 里見 治 |
7枠 | 13番 | ルガル | 牡4 | 58.0kg | 西村 淳也 | 杉山 晴紀 | 江馬 由将 |
7枠 | 14番 | ビクターザウィナー | せん6 | 58.0kg | J.モレイラ | C.シャム | Y.チュウ |
8枠 | 15番 | ヴェントヴォーチェ | 牡7 | 58.0kg | C.ルメール | 牧浦 充徳 | エデンアソシエーション |
8枠 | 16番 | ウイングレイテスト | 牡7 | 58.0kg | 松岡 正海 | 畠山 吉宏 | (株)ウイン |
除外されたモリノドリームとレイベリングは、鹿戸雄一厩舎の馬である。
2006年スプリンターズステークスからの考察
スプリンターズステークスの前哨戦となる産経賞セントウルステークスは、18頭立てで行われた。
今年の産経賞セントウルステークス以外で、18頭立てで行われた産経賞セントウルステークス(セントウルステークスを含む)は2006年しかない。
では、2006年のスプリンターズステークスの結果を見てみる。
2006年スプリンターズステークス(10月1日開催・4回中山8日・16頭立て)
1着 テイクオーバーターゲット 外国馬 せん7 57㎏ 7枠13番(逆4番)フォード騎手 1人気
前走 セントウルステークス(中京1200m・指定・別定)2人気2着 59㎏斤量
前々走 ジュライカップ(イギリス1200m)7着
2着 メイショウボーラー 牡5 57㎏ 2枠4番(逆13番)福永祐一騎手 10人気
前走 セントウルステークス(中京1200m・指定・別定)5人気7着 58㎏斤量
前々走 サマーチャンピオン(佐賀ダート1400m)2着
3着 タガノバスティーユ 牡3 55㎏ 1枠2番(逆15番)勝浦正樹騎手 最下位人気
前走 テレビ西日本賞北九州記念(小倉1200m・特指・ハンデ)6人気9着(1着対角)53㎏斤量
前々走 NHKマイルカップ(東京1600m)8人気8着
2006年スプリンターズステークスを制したテイクオーバーターゲットは、オーストラリアのG1であるニューマーケットハンデキャップを勝っていた外国馬で、前走のセントウルステークスで2着になっていた1人気の馬。
テイクオーバーターゲットの同枠馬のサイレントウィットネスは、前年のスプリンターズステークスの優勝馬。
2006年スプリンターズステークスで2着に入ったメイショウボーラーは、2005年フェブラリーステークスの1着歴を持つ10人気の馬で、テイクオーバーターゲットの対角に配置されていた。
メイショウボーラーの同枠馬のレザークは、イギリスのゴールデンジュビリーステークスとジュライカップ(いずれもG1)を連勝していた馬。
3着になったタガノバスティーユは、同年の中日スポーツ賞ファルコンステークス(1200m)を勝っていた最下位人気の3歳馬。
2006年のスプリンターズステークスの結果から考えると、G1馬、外国馬は気になる。
結論
来年のスプリンターズステークスは、今年と同じ4回中山9日に行われる。
しかし、来年のスプリンターズステークスのステップレースである産経賞セントウルステークスは、3回中京2日から4回阪神2日に、キーンランドカップは2回札幌6日から2回札幌2日に変更され、CBC賞も2回中京4日から3回中京6日に変わる。
そして、牝馬路線の京都牝馬ステークスが、愛知杯にレース名が変わり、2回京都7日から2回中京4日に変更されることが決まっている。
土曜日に行われたシリウスステークスは、1人気のオメガギネスが2着に入ったが、オメガギネスは、来年、1回京都7日から1回中京9日に日程変更され、レース名がプロキオンステークスに変わる最後の東海テレビ杯東海ステークス2着馬であった。
この結果から考えると、最後の京都牝馬ステークス2着馬のナムラクレアは、注意すべき馬だと思う。
今回は、ナムラクレア(2着?)を軸にしてみる。
相手は、サトノレーヴ、ルガル、ウインマーベル、エイシンスポッター、ピューロマジックあたり。