
G1レースの大阪杯が、今年、賞金を増額するそうだ。
なんと、1着賞金は3億円!
主催者は、このレースの1着賞金を着々と上げている。
なにしろ、G1に昇格した2017年の1着賞金が1億2000万円だったのに対し、今年の1着賞金は3億円になるのだから。
まあ、同時期に行われるドバイワールドカップの1着賞金と比べると差があるのは否めないが…
1着賞金の推移からの考察
大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)の1着賞金の推移を、2017年から表にしてみた。
天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)が、2021年まで賞金が維持されていたのに対し、大阪杯は2020年に増額し、2022年には天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)と肩を並べる賞金額に設定している。
2023年と2024年は、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)に差をつけられていたが、今年は、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)に追いついた。
大阪杯 | 天皇賞(春) | 宝塚記念 | 天皇賞(秋) | |
2017年 | 12,000 | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
2018年 | 12,000 | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
2019年 | 12,000 | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
2020年 | 13,500 | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
2021年 | 13,500 | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
2022年 | 20,000 | 20,000 | 20,000 | 20,000 |
2023年 | 20,000 | 22,000 | 22,000 | 22,000 |
2024年 | 20,000 | 22,000 | 22,000 | 22,000 |
2025年 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
(単位は万円)
主催者は、余計なことをしない。
必要だから、賞金を増額し、調整するのだ。
今年、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)、大阪杯の賞金額は横並びとなっている。
この状況は2022年と同じである。
まずは、2022年大阪杯の結果を見てみる。
2022年大阪杯(16頭立て)
1着 ポタジェ 牡5 57㎏ 4枠8番(逆9番)吉田隼人騎手 8人気
2着 レイパパレ 牝5 55㎏ 7枠14番(逆3番)川田将雅騎手 3人気
3着 アリーヴォ 牡4 57㎏ 5枠9番(逆8番)武豊騎手 7人気
賞金増額戦となった2022年大阪杯を制したのは、5歳馬のポタジェ。
ポタジェは、重賞未勝利馬で、前走の金鯱賞では4着に敗れていた馬。
ポタジェの同枠のウインマリリンは、サンケイスポーツ賞フローラステークス(東京2000m)1着、優駿牝馬(東京2400m)2着、日経賞(中山2500m)1着、産経賞オールカマー(中山2200m)1着歴を持つ5歳牝馬。
2着に入ったレイパパレは、前年の大阪杯1着馬で、前走の金鯱賞では2着になっていた5歳牝馬。
レイパパレの同枠のキングオブコージは、前走のアメリカジョッキークラブカップ(中山2200m)で1着になっていた6歳馬。
3着に入った アリーヴォは、菊花賞で7着に敗れた後、小倉1800mの1勝クラスの壇之浦ステークスとハンデ重賞の小倉大賞典(小倉1800m)を連勝していた4歳馬。
賞金増額戦となった2022年大阪杯は、牝馬のいる枠同士で決着している。
大阪杯2025の出馬表
大阪杯2025には17頭が登録したが、キングズパレスとバビットが回避し、15頭立てとなっている。
カラテは、音無秀孝氏が定年で引退したため、転厩となった馬である。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | ボルドグフーシュ | 牡6 | 58.0kg | 吉田 隼人 | 宮本 博 | (有)社台レースホース |
2枠 | 2番 | ホウオウビスケッツ | 牡5 | 58.0kg | 岩田 康誠 | 奥村 武 | 小笹 芳央 |
2枠 | 3番 | ラヴェル | 牝5 | 56.0kg | 北村 友一 | 矢作 芳人 | (有)キャロットファーム |
3枠 | 4番 | ソールオリエンス | 牡5 | 58.0kg | 松山 弘平 | 手塚 貴久 | (有)社台レースホース |
3枠 | 5番 | ベラジオオペラ | 牡5 | 58.0kg | 横山 和生 | 上村 洋行 | 林田 祥来 |
4枠 | 6番 | ジャスティンパレス | 牡6 | 58.0kg | 鮫島 克駿 | 杉山 晴紀 | 三木 正浩 |
4枠 | 7番 | ヨーホーレイク | 牡7 | 58.0kg | 岩田 望来 | 友道 康夫 | 金子真人ホールディングス(株) |
5枠 | 8番 | カラテ | 牡9 | 58.0kg | 和田 竜二 | 東田 明士 | 小田切 光 |
5枠 | 9番 | コスモキュランダ | 牡4 | 58.0kg | 丹内 祐次 | 加藤 士津八 | (有)ビッグレッドファーム |
6枠 | 10番 | シックスペンス | 牡4 | 58.0kg | 横山 武史 | 国枝 栄 | (有)キャロットファーム |
6枠 | 11番 | デシエルト | 牡6 | 58.0kg | 池添 謙一 | 安田 翔伍 | (株)ラ・メール |
7枠 | 12番 | ステレンボッシュ | 牝4 | 56.0kg | J.モレイラ | 国枝 栄 | 吉田 勝己 |
7枠 | 13番 | ロードデルレイ | 牡5 | 58.0kg | 西村 淳也 | 中内田 充正 | (株)ロードホースクラブ |
8枠 | 14番 | エコロヴァルツ | 牡4 | 58.0kg | M.デムーロ | 牧浦 充徳 | 原村 正紀 |
8枠 | 15番 | アルナシーム | 牡6 | 58.0kg | 横山 典弘 | 橋口 慎介 | ライオンレースホース(株) |
ディープインパクト産駒のジャスティンパレスとヨーホーレイクが同枠配置となっている。
ダービー卿チャレンジトロフィーとチャーチルダウンズカップからの考察
土曜日に行われた中山メインはハンデ重賞のダービー卿チャレンジトロフィー、阪神メインは3歳馬齢戦のチャーチルダウンズカップだった。
除外戦となったダービー卿チャレンジトロフィーは、祝日開催となった中山1600mのリステッド競走のニューイヤーステークスを勝ってきた1人気の4歳馬トロヴァトーレ(2枠2番配置)が1着。
2着は前年11月に行われた3勝クラスのノベンバーステークス(東京1800m)を勝った後、中山1800mのリステッド競走のディセンバーステークスで9着、京都1600mのリステッド競走の洛陽ステークスで5着だった5枠7番配置の5歳馬コントラポスト。
3着は、コントラポストの同枠配置のキープカルムで、キープカルムは、JRAウルトラプレミアム キセキカップ(京都1600m)を勝利して、オープン入りした後、京都1600mのリステッド競走のリゲルステークスで3着、トロヴァトーレが勝ったニューイヤーステークスで4着だった4歳馬のキープカルム。
一方、チャーチルダウンズカップは、京都代替開催の朝日杯フューチュリティステークスで3着、京都1800mのきさらぎ賞で3着だった2人気のランスオブカオス(7枠7番配置)が1着。
2着は、ランスオブカオスの同枠馬で、朝日杯フューチュリティステークス5着の後、中京代替開催の日刊スポーツ賞シンザン記念で2着になっていたアルテヴェローチェ。
3着は、中山2000mの京成杯で2着対角の3着、京都1800mのきさらぎ賞で8着だった5枠5番配置のミニトランザット。
ダービー卿チャレンジトロフィーとチャーチルダウンズカップの結果からは、2場開催だった第1回中山と第1回中京で賞金加算した馬、7番配置の馬、1人気の馬が気になる。
結論
今年の大阪杯の出走馬で、2場開催だった第1回中山と第1回中京で賞金加算した馬は、ロードデルレイとアルナシームの2頭。
今年の第1回中京開催は、阪神競馬場のリニューアルによる変則開催であり、来年は第1回京都開催となるはずである。
となると、中京開催の日経新春杯を勝ってきたロードデルレイあるいは同枠のステレンボッシュは気になる。
そこで、ステレンボッシュ(ロードデルレイ)を軸に、ヨーホーレイク、ホウオウビスケッツ、デシエルト、コスモキュランダ、シックスペンスあたり。