菊花賞2024(第85回)の考察

2014年菊花賞からの考察

メイショウタバルが出走取消となった今年の東京優駿は、横山典弘騎手が騎乗したダノンデサイルが優勝した。

 

横山典弘騎手は、2009年ロジユニヴァース、2014年ワンアンドオンリーで東京優駿を制覇しているので、3度目の戴冠となったわけだ。

 

ちなみに、ワンアンドオンリーが勝利した2014年東京優駿も、ウインフルブルームが出走を取り消している。

 

さらに、2014年の朝日杯セントライト記念は、皐月賞2着馬のトゥザワールドは2着に入着しているので、今年と似ている。

 

まずは、2014年菊花賞から考えてみたい。

 

2014年菊花賞(18頭立て)

1着 トーホウジャッカル 牡3 57㎏ 1枠2番(逆17番)酒井学騎手 3人気

前走 神戸新聞杯(阪神2400m・指定・馬齢)9人気3着

前々走 3歳以上1000万下条件戦・玄海特別(小倉2000m)3人気2着

2着 サウンズオブアース 牡3 57㎏ 2枠4番(逆15番)蛯名正義騎手 4人気

前走 神戸新聞杯(阪神2400m・指定・馬齢)8人気2着

前々走 東京優駿(東京2400m)11人気11着(1着同枠)

3着 ゴールドアクター 牡3 57㎏ 5枠10番(逆9番)吉田隼人騎手 7人気

前走 3歳以上1000万下条件戦・支笏湖特別(札幌2600m)1人気1着

前々走 3歳以上500万下条件戦・平場(札幌2600m)1人気1着

 

JRA60周年記念のサブタイトルが付いた2014年菊花賞を勝利したのは、条件戦2着から神戸新聞杯に挑戦し、3着に入り、菊花賞の優先出走権を獲得していたトーホウジャッカル。

 

トーホウジャッカルは、5月31日に行われた京都1800mの3歳未勝利戦でデビューし、3戦目の3歳未勝利戦(中京1600m)で初勝利を飾っていた馬。

 

トーホウジャッカルの同枠のマイネルフロストは、毎日杯1着歴を持つ東京優駿3着馬。

 

2着になったサウンズオブアースは、京都新聞杯2着、神戸新聞杯2着の実績を持つ馬で、東京優駿では1着馬の同枠に配置されていた馬だった。

 

サウンズオブアースの同枠のサングラスは、3歳以上1000万下条件戦のHTB賞(札幌1800m)を勝った後、新潟開催の朝日杯セントライト記念に出走して14着に敗れていた馬。

 

3着に入ったゴールドアクターは、札幌2600mの条件戦を連勝していた上がり馬。

 

なお、2014年菊花賞で1人気に支持された東京優駿覇者のワンアンドオンリーは9着(2着対角)に終わり、皐月賞2着馬のトゥザワールドも16着に惨敗している。

 

2014年菊花賞から考えると、東京優駿覇者のダノンデサイル、年明けデビュー馬で皐月賞あるいは東京優駿終了後に初勝利を挙げた馬、京都新聞杯連対馬、菊花賞の優先出走権を獲得した馬あたりは気になる。

菊花賞2024の出馬表

菊花賞2024の登録馬は18頭。

 

18頭の登録馬全頭が出走してきた。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 ピースワンデュック 牡3 57.0kg 柴田 善臣 大竹 正博 長谷川 成利
1枠 2番 ノーブルスカイ 牡3 57.0kg 池添 謙一 池添 謙一 自由が丘サラブレッド倶楽部
2枠 3番 アスクカムオンモア 牡3 57.0kg 北村 友一 藤原 英昭 廣崎利洋HD(株)
2枠 4番 ダノンデサイル 牡3 57.0kg 横山 典弘 安田 翔伍 (株)ダノックス
3枠 5番 ハヤテノフクノスケ 牡3 57.0kg 岩田 望来 中村 直也 佐藤 範夫
3枠 6番 ミスタージーティー 牡3 57.0kg 坂井 瑠星 矢作 芳人 田畑 利彦
4枠 7番 ビザンチンドリーム 牡3 57.0kg A.シュタルケ 坂口 智康 吉田 和美
4枠 8番 ウエストナウ 牡3 57.0kg 西村 淳也 佐々木 晶三 寺田 寿男
5枠 9番 コスモキュランダ 牡3 57.0kg M.デムーロ 加藤 士津八 (有)ビッグレッドファーム
5枠 10番 メイショウタバル 牡3 57.0kg 浜中 俊 石橋 守 松本 好雄
6枠 11番 ショウナンラプンタ 牡3 57.0kg 鮫島 克駿 高野 友和 国本 哲秀
6枠 12番 シュバルツクーゲル 牡3 57.0kg 松山 弘平 鹿戸 雄一 (株)G1レーシング
7枠 13番 アーバンシック 牡3 57.0kg C.ルメール 武井 亮 (有)シルクレーシング
7枠 14番 メリオーレム 牡3 57.0kg 川田 将雅 友道 康夫 (株)G1レーシング
7枠 15番 エコロヴァルツ 牡3 57.0kg 岩田 康誠 牧浦 充徳 原村 正紀
8枠 16番 ヘデントール 牡3 57.0kg 戸崎 圭太 木村 哲也 (有)キャロットファーム
8枠 17番 アドマイヤテラ 牡3 57.0kg 武 豊 友道 康夫 近藤 旬子
8枠 18番 アレグロブリランテ 牡3 57.0kg 横山 和生 上原 佑紀 (有)サンデーレーシング

逃げが予想されるメイショウタバルは5枠10番に配置された。

前年からの考察

菊花賞は、クラシック三冠の最終関門に位置付けられているレースである。

 

クラシック三冠の皐月賞と東京優駿は、どんな結果だったのだろうか?

 

前年と併せて、見ておく。

 

2023年皐月賞(18頭立て)

1着 ソールオリエンス 牡3 57㎏ 1枠1番(逆18番)横山武史騎手 2人気

2着 タスティエーラ 牡3 57㎏ 7枠14番(逆5番)松山弘平騎手 5人気

3着 ファントムシーフ 牡3 57㎏ 4枠7番(逆12番)ルメール騎手 1人気

 

2023年皐月賞は、京成杯を勝った後、皐月賞のステップレースに出走せず、皐月賞に出走してきた社台レースホースが馬主の2人気のソールオリエンスが1着。

 

2着は、共同通信杯4着の後、皐月賞のステップレースの報知杯弥生賞ディープインパクト記念を勝っていたタスティエーラ。(キャロットファームが馬主の5人気の馬)

 

3着は、共同通信杯を勝った後、皐月賞のステップレースに出走せず、皐月賞に出走してきた非社台系のファントムシーフ(1人気)

 

2024年皐月賞(18頭立て・除外あり)

1着 ジャスティンミラノ 牡3 57㎏ 7枠13番(逆6番)戸崎圭太騎手 2人気

2着 コスモキュランダ 牡3 57㎏ 6枠12番(逆7番)モレイラ騎手 7人気

3着 ジャンタルマンタル 牡3 57㎏ 4枠8番(逆11番)川田将雅騎手 3人気

 

2024年皐月賞を勝ったのは、共同通信杯を勝った後、皐月賞のステップレースに出走せず、皐月賞に出走してきたノーザンファーム生産馬で2人気のジャスティンミラノ。

 

2着は、3歳1勝クラス(中山2000m)で2着になった後、報知杯弥生賞ディープインパクト記念に6人気で出走し、重賞勝ちを勝ち取った非社台系のコスモキュランダ(7人気)

 

3着は、朝日杯フューチュリティステークスを勝利した後、共同通信杯2着に入り、皐月賞のステップレースに出走せず、皐月賞に出走してきた社台レースホースが馬主の3人気のジャンタルマンタル。

 

2023年と2024年の皐月賞を比較すると、1着馬と3着馬は両年とも皐月賞のステップレースに出走しなかった重賞既勝馬(1着馬は両年ともG3の勝ち馬)で、2着馬は両年とも報知杯弥生賞ディープインパクト記念を勝っていた馬だった。

 

2023年東京優駿(18頭立て)

1着 タスティエーラ 牡3 57㎏ 6枠12番(逆7番)レーン騎手 4人気

2着 ソールオリエンス 牡3 57㎏ 3枠5番(逆14番)横山武史騎手 1人気

3着 ハーツコンチェルト 牡3 57㎏ 6枠11番(逆8番)松山弘平騎手 6人気

 

2023年東京優駿を勝ったタスティエーラは、皐月賞2着馬。

 

2着に入ったソールオリエンスは、皐月賞1着馬。

 

3着に入ったハーツコンチェルトは、東京優駿を勝ったタスティエーラの同枠馬で、テレビ東京杯青葉賞で2着に入り、東京優駿の優先出走権を獲得していた6人気の非社台系の馬。

 

2024年東京優駿(18頭立て)

1着 ダノンデサイル 牡3 57㎏ 3枠5番(逆6番)横山典弘騎手 9人気

2着 ジャスティンミラノ 牡3 57㎏ 7枠15番(逆4番)戸崎圭太騎手 1人気

3着 シンエンペラー マル外 牡3 57㎏ 7枠13番(逆6番)坂井瑠星騎手 7人気

 

2024年東京優駿を勝ったダノンデサイルは、皐月賞で除外になっていた京成杯優勝馬で、同枠には、報知杯弥生賞ディープインパクト記念1着、皐月賞2着馬のコスモキュランダがいた。

 

2着に入ったジャスティンミラノは、皐月賞1着馬。

 

3着になったシンエンペラーは、ジャスティンミラノの同枠馬で、ホープフルステークス2着、報知杯弥生賞ディープインパクト記念2着の実績を持つ非社台系の7人気の馬。

 

2023年と2024年の東京優駿を比較すると、1着枠は皐月賞2着馬のいる枠(直接連対と1着同枠の違い)、2着馬は皐月賞1着馬で共通、3着馬を使ってワイドゾロ目を起用している。

 

次に、前年の菊花賞の結果を見てみる。

 

2023年菊花賞(17頭立て)

1着 ドゥレッツァ 牡3 57㎏ 8枠17番(逆1番)ルメール騎手 4人気

2着 タスティエーラ 牡3 57㎏ 4枠7番(逆11番)モレイラ騎手 2人気

3着 ソールオリエンス 牡3 57㎏ 7枠14番(逆4番)横山武史騎手 1人気

 

2023年菊花賞を制したのは、キャロットファームが馬主の4人気のドゥレッツァ。

 

ドゥレッツァは、3勝クラスの日本海ステークス(新潟2200m)を勝った後、菊花賞のステップレースに出走せず、菊花賞に直接出走してきた馬。

 

ドゥレッツァの同枠馬のショウナンバシットは、皐月賞5着、東京優駿16着(1着同枠)、神戸新聞杯7着だったノーザンファーム生産馬(15人気)

 

ドゥレッツァの同枠馬のファントムシーフは、皐月賞3着、東京優駿8着(2着対角)、神戸新聞杯3着(2着同枠)だった馬。

 

2着に入ったタスティエーラは、皐月賞2着歴を持つ東京優駿1着馬で、菊花賞のステップレースに出走せず、菊花賞に直接出走してきた馬。

 

タスティエーラの同枠馬のサヴォーナは、神戸新聞杯2着馬。

 

3着に入ったソールオリエンスは、皐月賞1着、東京優駿2着、朝日杯セントライト記念2着の実績を持つ馬。

結論

2014年菊花賞馬のトーホウジャッカルは、神戸新聞杯で3着に入り、菊花賞の優先出走権を獲得していた馬で、昨年の菊花賞馬のドゥレッツァの同枠には神戸新聞杯で3着になったファントムシーフがいた。

 

今年の神戸新聞杯で3着になったショウナンラプンタは、東京優駿で15着に敗れ、連対馬の筋にもなっていないので、ショウナンラプンタ自身は狙いづらい馬である。

 

となると、軸にすべきは、タスティエーラ的な馬となる。

 

タスティエーラは、報知杯弥生賞ディープインパクト記念1着、皐月賞2着、東京優駿1着馬である。

 

この馬に似ているのが、報知杯弥生賞ディープインパクト記念1着、皐月賞2着、東京優駿1着同枠馬のコスモキュランダである。

 

今回は、コスモキュランダを軸にしてみる。

 

相手は、ヘデントール、シュバルツクーゲル、ウエストナウ、メイショウタバル、ショウナンラプンタあたり。

後検証

菊花賞は、東京優駿、皐月賞、優駿牝馬、桜花賞と共にクラシックといわれるレースである。

 

今年の菊花賞は第85回となるが、東京優駿は2018年に、優駿牝馬は2024年に第85回大会が開催され、皐月賞と桜花賞は2025年に第85回を迎える。

 

2018年東京優駿(第85回)

1着 ワグネリアン 牡3 57㎏ 8枠17番 福永祐一騎手 5人気

2着 エポカドーロ 牡3 57㎏ 6枠12番 戸崎圭太騎手 4人気

 

2024年優駿牝馬(第85回)

1着 チェルヴィニア 牝3 55㎏ 6枠12番 ルメール騎手 2人気

2着 ステレンボッシュ 牝3 55㎏ 4枠7番 戸崎圭太騎手 1人気

 

2024年菊花賞(第85回)

1着 アーバンシック 牡3 57㎏ 7枠13番 ルメール騎手 2人気

2着 ヘデントール 牡3 57㎏ 8枠16番 戸崎圭太騎手 4人気

 

第85回となった東京優駿、優駿牝馬、菊花賞は2着に戸崎圭太騎手の騎乗馬を起用している。

 

また、今年の東京優駿は横山典弘騎手が騎乗したダノンデサイルが優勝した。

 

横山典弘騎手は、2009年ロジユニヴァース、2014年ワンアンドオンリーで東京優駿を勝っている。

 

2009年菊花賞

1着 スリーロールス 牡3 57㎏ 1枠1番 浜中俊騎手 8人気

前走 3歳以上1000万下条件戦・野分特別(阪神1800m)3人気1着

皐月賞・東京優駿・神戸新聞杯・ラジオ日本賞セントライト記念は未出走

2着 フォゲッタブル 牡3 57㎏ 2枠3番 吉田隼人騎手 7人気

前走 ラジオ日本賞セントライト記念(中山2200m)7人気3着

皐月賞と東京優駿は未出走

 

2009年東京優駿を横山典弘騎手が騎乗し勝利したロジユニヴァースは、菊花賞に出走していない。

 

2009年菊花賞を制したのは、皐月賞と東京優駿だけでなく、菊花賞のステップレースに出走していなかったスリーロールスが1着。

 

2着は、皐月賞と東京優駿に出走せず、中山2200mで行われたラジオ日本賞セントライト記念で3着になったフォゲッタブル。

 

2014年菊花賞

1着 トーホウジャッカル 牡3 57㎏ 1枠2番 酒井学騎手 3人気

前走 神戸新聞杯(阪神2400m)9人気3着

皐月賞と東京優駿は未出走

2着 サウンズオブアース 牡3 57㎏ 2枠4番 蛯名正義騎手 4人気

前走 神戸新聞杯(阪神2400m)8人気2着

皐月賞は未出走

 

2014年東京優駿を横山典弘騎手が騎乗し勝利したワンアンドオンリーは、菊花賞で1人気に支持されたが、9着に敗退。

 

2014年菊花賞を制したのは、皐月賞と東京優駿に出走していない阪神2400mで行われた神戸新聞杯で3着になっていたトーホウジャッカル。

 

2着になったサウンズオブアースは、東京優駿11着の後、神戸新聞杯で2着になっていた馬。

 

そして、2024年菊花賞で1着になったのは、東京優駿11着の後、中山2200mで行われた朝日杯セントライト記念で1着になっていたアーバンシック。

 

アーバンシックの同枠には、朝日杯セントライト記念で3着になったエコロヴァルツがいた。

 

2着になったヘデントールは、2009年菊花賞を制したスリーロールスと同じ型の皐月賞・東京優駿・神戸新聞杯・朝日杯セントライト記念に出走していなかった馬であった。

 

さらに付け加えるならば、菊花賞で1~3着に入ったアーバンシック、ヘデントール、アドマイヤテラは、前走でルメール騎手が騎乗していた馬。

 

ルメール騎手は、その3頭の中で、菊花賞で1着になったアーバンシックを選んでいる。

 

当たった方はおめでとうございます。

 

外れた方は、次のレースでリベンジしましょう。