地方馬が、阪神ジュベナイルフィリーズに優先的に出走するためには、アルテミスステークスあるいはKBS京都賞ファンタジーステークスで2着以内に入るか、中央競馬の2歳重賞レースで1着にならなければいけない。
これが、いわゆる地方馬ルートと呼ばれるものである。
しかし、今年の阪神ジュベナイルフィリーズには、地方馬ルートのアルテミスステークス、KBS京都賞ファンタジーステークス、中央競馬の2歳重賞レース1着馬が存在しない。
馬齢表記が変更された2001年以降で、重賞を勝った馬が1頭も出走しない阪神ジュベナイルフィリーズなんて、今まで1回もなかった。
重賞を勝った馬が1頭も出走しない今年の阪神ジュベナイルフィリーズの覇者になる馬とは、どんな馬なのだろうか?
阪神ジュベナイルフィリーズ2025の出馬表
阪神ジュベナイルフィリーズ2025の登録馬は26頭。
26頭の登録馬のうち、タイセイフレッサとマルガが回避、ウィングブルー、コスモレッド、サンブライト、ノアールビーナス、バースデイフライト、ホワイトオーキッドが抽選で外れ、18頭立てとなっている。
| 枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
| 1枠 | 1番 | アンヘリータス | 牝2 | 55.0kg | F.ジェルー | 吉村 圭司 | KRジャパン |
| 1枠 | 2番 | レディーゴール | 牝2 | 55.0kg | 松若 風馬 | 池添 学 | (株)スリーエイチレーシング |
| 2枠 | 3番 | ミツカネベネラ | 牝2 | 55.0kg | 津村 明秀 | 鈴木 伸尋 | 小山田 満 |
| 2枠 | 4番 | アランカール | 牝2 | 55.0kg | 北村 友一 | 斉藤 崇史 | (有)キャロットファーム |
| 3枠 | 5番 | ギャラボーグ | 牝2 | 55.0kg | 川田 将雅 | 杉山 晴紀 | (株)ロードホースクラブ |
| 3枠 | 6番 | アルバンヌ | 牝2 | 55.0kg | 坂井 瑠星 | 田中 博康 | 橋元 勇氣 |
| 4枠 | 7番 | マーゴットラヴミー | 牝2 | 55.0kg | 武 豊 | 小林 真也 | 前田 良平 |
| 4枠 | 8番 | ヒズマスターピース | 牝2 | 55.0kg | 藤岡 佑介 | 国枝 栄 | (有)木村牧場 |
| 5枠 | 9番 | スターアニス | 牝2 | 55.0kg | 松山 弘平 | 高野 友和 | 吉田 勝己 |
| 5枠 | 10番 | イヌボウノウタゴエ | 牝2 | 55.0kg | 酒井 学 | 西田 雄一郎 | 嶋田 賢 |
| 6枠 | 11番 | スウィートハピネス | 牝2 | 55.0kg | 高杉 吏麒 | 北出 成人 | 前田 幸大 |
| 6枠 | 12番 | メイプルハッピー | 牝2 | 55.0kg | 岩田 康誠 | 北出 成人 | 節 英司 |
| 7枠 | 13番 | フロムレイブン | 牝2 | 55.0kg | 吉村 誠之助 | 坂口 智康 | 窪田 芳郎 |
| 7枠 | 14番 | スタニングレディ | 牝2 | 55.0kg | 和田 竜二 | 高木 登 | (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン |
| 7枠 | 15番 | ラスティングスノー | 牝2 | 55.0kg | 菱田 裕二 | 池上 昌和 | 矢野 秀春 |
| 8枠 | 16番 | ローズカリス | 牝2 | 55.0kg | 田口 貫太 | 大橋 勇樹 | 水谷 光太郎 |
| 8枠 | 17番 | タイセイボーグ | 牝2 | 55.0kg | 西村 淳也 | 松下 武士 | 田中 成奉 |
| 8枠 | 18番 | ショウナンカリス | 牝2 | 55.0kg | 池添 謙一 | 加藤 士津八 | 国本 哲秀 |
北出成人厩舎のスウィートハピネスとメイプルハッピーが、6枠に集められている。
1997年阪神3歳牝馬ステークスからの考察
今年の阪神ジュベナイルフィリーズには、重賞ウイナーが1頭もいない。
重賞を勝った馬が1頭もいなかった阪神ジュベナイルフィリーズは、今まで1回もないが、前身の阪神3歳牝馬ステークスまで、さかのぼれば、1997年阪神3歳牝馬ステークスにたどり着く。
まずは、1997年阪神3歳牝馬ステークスを参考にしたい。
1997年阪神3歳牝馬ステークス(5回阪神2日・16頭立て)
1着 アインブライド 牝3 53㎏ 1枠2番(逆15番)古川吉洋騎手 7人気
2着 キュンティア マル外 牝3 53㎏ 6枠11番(逆6番)高橋亮騎手 6人気
3着 ダンツシリウス 牝3 53㎏ 8枠15番(逆2番)ペリエ騎手 8人気
重賞を勝った馬が1頭もいなかった1997年阪神3歳牝馬ステークスで1人気に支持されたのは、1勝馬のシンコウノビーだった。
シンコウノビーは、新潟ダート1000mの新馬戦を勝った後、東京1400mの500万下条件戦のサフラン賞で2着、KBS京都賞ファンタジーステークス(京都1400m)で2着だったマル外の馬だが、阪神3歳牝馬ステークスでは5着に終わっている。
1997年阪神3歳牝馬ステークスで1着になったアインブライドは、2戦目の小倉1200mの新馬戦で初勝利を挙げた後、阪神1600mのオープンの野路菊ステークスで1着、京都1400mのKBS京都賞ファンタジーステークスで7着だった2勝馬。
アインブライドの同枠のエイシンシンシアナは、11月1日に行われた京都ダート1200mの新馬戦を勝ってきたマル外の1戦1勝馬。
2着になったキュンティアは、11月2日に行われた京都1600mの新馬戦を勝ってきたマル外の1戦1勝馬。
キュンティアの同枠のテイエムオーロラは、2戦目の小倉1000mの新馬戦を勝った後、小倉3歳ステークスで2着、KBS京都賞ファンタジーステークスで8着だった馬。
3着だったダンツシリウスは、3戦目の札幌1200mの未勝利戦で初勝利を挙げた後、札幌1200mの500万下条件戦で5着、札幌1800mの札幌3歳ステークスで14着、京都1400mの500万下条件戦のりんどう賞で2着だった馬。
1997年阪神3歳牝馬ステークスから考えると、阪神1600mのレースを勝っている馬、1600m戦を勝っている1戦1勝馬、オープンを勝っている馬あたりは気になる。
結論
アルテミスステークス1着馬不在という観点で考えると、2023年が近いかもしれない。
2023年阪神ジュベナイルフィリーズには、同年のアルテミスステークスを勝利したチェルヴィニアが不在だった。
チェルヴィニアは、サンデーレーシングが馬主の馬で、アルテミスステークスではルメール騎手が騎乗していた。
2023年阪神ジュベナイルフィリーズを勝利したのは、東京1400mの新馬戦と新潟2歳ステークス(新潟1600m)を1人気で勝っていたサンデーレーシングが馬主のアスコリピチェーノ。(夏季が最終賞金加算)
アスコリピチェーノの同枠馬は、京都1600mの新馬戦と京都1600mの1勝クラスの白菊賞を連勝していたノーザンファーム生産馬のプシプシーナ。(秋季が最終賞金加算)
2023年阪神ジュベナイルフィリーズの2着馬は、札幌1800mの新馬戦を勝った後、中山1600mの1勝クラスのサフラン賞を2着、東京1600mの1勝クラスの赤松賞を勝っていたルメール騎手騎乗のノーザンファーム生産馬のステレンボッシュ。(秋季が最終賞金加算)
ステレンボッシュの同枠のスプリングノヴァは、札幌1500mの新馬戦と中山1600mの1勝クラスのサフラン賞を連勝していた非社台系の馬。(秋季が最終賞金加算)
2023年阪神ジュベナイルフィリーズの結果から考えると、赤松賞を勝っている馬、白菊賞を勝っている馬あたりは気になる。
さて、結論だが、赤松賞を勝っているヒズマスターピース(マーゴットラヴミー)を軸にしてみる。
ヒズマスターピースとマーゴットラヴミーの組み合わせを押さえたうえで、相手にアランカール、イヌボウノウタゴエ、アンヘリータス、スターアニス、スタニングレディあたりで考えてみたい。




