阪神ジュベナイルフィリーズ2025(第77回)の考察

地方馬が、阪神ジュベナイルフィリーズに優先的に出走するためには、アルテミスステークスあるいはKBS京都賞ファンタジーステークスで2着以内に入るか、中央競馬の2歳重賞レースで1着にならなければいけない。

 

これが、いわゆる地方馬ルートと呼ばれるものである。

 

しかし、今年の阪神ジュベナイルフィリーズには、地方馬ルートのアルテミスステークス、KBS京都賞ファンタジーステークス、中央競馬の2歳重賞レース1着馬が存在しない。

 

馬齢表記が変更された2001年以降で、重賞を勝った馬が1頭も出走しない阪神ジュベナイルフィリーズなんて、今まで1回もなかった。

 

重賞を勝った馬が1頭も出走しない今年の阪神ジュベナイルフィリーズの覇者になる馬とは、どんな馬なのだろうか?

阪神ジュベナイルフィリーズ2025の出馬表

阪神ジュベナイルフィリーズ2025の登録馬は26頭。

 

26頭の登録馬のうち、タイセイフレッサとマルガが回避、ウィングブルー、コスモレッド、サンブライト、ノアールビーナス、バースデイフライト、ホワイトオーキッドが抽選で外れ、18頭立てとなっている。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 アンヘリータス 牝2 55.0kg F.ジェルー 吉村 圭司 KRジャパン
1枠 2番 レディーゴール 牝2 55.0kg 松若 風馬 池添 学 (株)スリーエイチレーシング
2枠 3番 ミツカネベネラ 牝2 55.0kg 津村 明秀 鈴木 伸尋 小山田 満
2枠 4番 アランカール 牝2 55.0kg 北村 友一 斉藤 崇史 (有)キャロットファーム
3枠 5番 ギャラボーグ 牝2 55.0kg 川田 将雅 杉山 晴紀 (株)ロードホースクラブ
3枠 6番 アルバンヌ 牝2 55.0kg 坂井 瑠星 田中 博康 橋元 勇氣
4枠 7番 マーゴットラヴミー 牝2 55.0kg 武 豊 小林 真也 前田 良平
4枠 8番 ヒズマスターピース 牝2 55.0kg 藤岡 佑介 国枝 栄 (有)木村牧場
5枠 9番 スターアニス 牝2 55.0kg 松山 弘平 高野 友和 吉田 勝己
5枠 10番 イヌボウノウタゴエ 牝2 55.0kg 酒井 学 西田 雄一郎 嶋田 賢
6枠 11番 スウィートハピネス 牝2 55.0kg 高杉 吏麒 北出 成人 前田 幸大
6枠 12番 メイプルハッピー 牝2 55.0kg 岩田 康誠 北出 成人 節 英司
7枠 13番 フロムレイブン 牝2 55.0kg 吉村 誠之助 坂口 智康 窪田 芳郎
7枠 14番 スタニングレディ 牝2 55.0kg 和田 竜二 高木 登 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
7枠 15番 ラスティングスノー 牝2 55.0kg 菱田 裕二 池上 昌和 矢野 秀春
8枠 16番 ローズカリス 牝2 55.0kg 田口 貫太 大橋 勇樹 水谷 光太郎
8枠 17番 タイセイボーグ 牝2 55.0kg 西村 淳也 松下 武士 田中 成奉
8枠 18番 ショウナンカリス 牝2 55.0kg 池添 謙一 加藤 士津八 国本 哲秀

 

北出成人厩舎のスウィートハピネスとメイプルハッピーが、6枠に集められている。

1997年阪神3歳牝馬ステークスからの考察

今年の阪神ジュベナイルフィリーズには、重賞ウイナーが1頭もいない。

 

重賞を勝った馬が1頭もいなかった阪神ジュベナイルフィリーズは、今まで1回もないが、前身の阪神3歳牝馬ステークスまで、さかのぼれば、1997年阪神3歳牝馬ステークスにたどり着く。

 

まずは、1997年阪神3歳牝馬ステークスを参考にしたい。

 

1997年阪神3歳牝馬ステークス(5回阪神2日・16頭立て)

1着 アインブライド 牝3 53㎏ 1枠2番(逆15番)古川吉洋騎手 7人気

2着 キュンティア マル外 牝3 53㎏ 6枠11番(逆6番)高橋亮騎手 6人気

3着 ダンツシリウス 牝3 53㎏ 8枠15番(逆2番)ペリエ騎手 8人気

 

重賞を勝った馬が1頭もいなかった1997年阪神3歳牝馬ステークスで1人気に支持されたのは、1勝馬のシンコウノビーだった。

 

シンコウノビーは、新潟ダート1000mの新馬戦を勝った後、東京1400mの500万下条件戦のサフラン賞で2着、KBS京都賞ファンタジーステークス(京都1400m)で2着だったマル外の馬だが、阪神3歳牝馬ステークスでは5着に終わっている。

 

1997年阪神3歳牝馬ステークスで1着になったアインブライドは、2戦目の小倉1200mの新馬戦で初勝利を挙げた後、阪神1600mのオープンの野路菊ステークスで1着、京都1400mのKBS京都賞ファンタジーステークスで7着だった2勝馬。

 

アインブライドの同枠のエイシンシンシアナは、11月1日に行われた京都ダート1200mの新馬戦を勝ってきたマル外の1戦1勝馬。

 

2着になったキュンティアは、11月2日に行われた京都1600mの新馬戦を勝ってきたマル外の1戦1勝馬。

 

キュンティアの同枠のテイエムオーロラは、2戦目の小倉1000mの新馬戦を勝った後、小倉3歳ステークスで2着、KBS京都賞ファンタジーステークスで8着だった馬。

 

3着だったダンツシリウスは、3戦目の札幌1200mの未勝利戦で初勝利を挙げた後、札幌1200mの500万下条件戦で5着、札幌1800mの札幌3歳ステークスで14着、京都1400mの500万下条件戦のりんどう賞で2着だった馬。

 

1997年阪神3歳牝馬ステークスから考えると、阪神1600mのレースを勝っている馬、1600m戦を勝っている1戦1勝馬、オープンを勝っている馬あたりは気になる。

結論

アルテミスステークス1着馬不在という観点で考えると、2023年が近いかもしれない。

 

2023年阪神ジュベナイルフィリーズには、同年のアルテミスステークスを勝利したチェルヴィニアが不在だった。

 

チェルヴィニアは、サンデーレーシングが馬主の馬で、アルテミスステークスではルメール騎手が騎乗していた。

 

2023年阪神ジュベナイルフィリーズを勝利したのは、東京1400mの新馬戦と新潟2歳ステークス(新潟1600m)を1人気で勝っていたサンデーレーシングが馬主のアスコリピチェーノ。(夏季が最終賞金加算)

 

アスコリピチェーノの同枠馬は、京都1600mの新馬戦と京都1600mの1勝クラスの白菊賞を連勝していたノーザンファーム生産馬のプシプシーナ。(秋季が最終賞金加算)

 

2023年阪神ジュベナイルフィリーズの2着馬は、札幌1800mの新馬戦を勝った後、中山1600mの1勝クラスのサフラン賞を2着、東京1600mの1勝クラスの赤松賞を勝っていたルメール騎手騎乗のノーザンファーム生産馬のステレンボッシュ。(秋季が最終賞金加算)

 

ステレンボッシュの同枠のスプリングノヴァは、札幌1500mの新馬戦と中山1600mの1勝クラスのサフラン賞を連勝していた非社台系の馬。(秋季が最終賞金加算)

 

2023年阪神ジュベナイルフィリーズの結果から考えると、赤松賞を勝っている馬、白菊賞を勝っている馬あたりは気になる。

 

さて、結論だが、赤松賞を勝っているヒズマスターピース(マーゴットラヴミー)を軸にしてみる。

 

ヒズマスターピースとマーゴットラヴミーの組み合わせを押さえたうえで、相手にアランカール、イヌボウノウタゴエ、アンヘリータス、スターアニス、スタニングレディあたりで考えてみたい。