
いよいよ、今年の秋G1が始まる。
秋G1の第1弾は、スプリントG1のスプリンターズステークスである。
今年の春のスプリントG1の高松宮記念は、サトノレーヴが制したが、スプリンターズステークスは、どの馬が覇者になるのだろう?
キーンランドカップ1着馬不在のスプリンターズステークスからの考察
スプリンターズステークスのステップレースは、産経賞セントウルステークスとキーンランドカップの2レース。
ただし、今年のキーンランドカップを勝った3歳馬のパンジャタワーは、スプリンターズステークスに登録もしてこなかった。
キーンランドカップが重賞化された2006年以降で、キーンランドカップ1着馬が、スプリンターズステークスに出走してこなかったケースは、2017年と2021年の2回。
まずは、キーンランドカップ1着馬が不在だった2017年と2021年のスプリンターズステークスの結果から見てみる。
2017年スプリンターズステークス(4回中山9日・16頭立て・外国馬1頭出走)
1着 レッドファルクス 牡6 57㎏ 4枠8番(逆9番)M.デムーロ騎手 1人気
2着 レッツゴードンキ 牝5 55㎏ 1枠2番(逆15番)岩田康誠騎手 5人気
3着 ワンスインナムーン 牝4 55㎏ 3枠6番(逆11番)石橋脩騎手 7人気
2017年スプリンターズステークスを勝利したレッドファルクスは、前年のスプリンターズステークスを勝っていた社台ファーム生産馬。
レッドファルクスは、前年のスプリンターズステークスを勝利した後、香港スプリント12着、高松宮記念3着、京王杯スプリングカップ1着、安田記念3着の成績を残しており、産経賞セントウルステークスとキーンランドには出走していなかった。(最終賞金加算は春季で、夏季の安田記念に出走したが、賞金を加算していない馬)
レッドファルクスの同枠馬のダイアナヘイローは、1600万下条件戦の佐世保ステークス(小倉1200m)を勝った後、テレビ西日本賞北九州記念(小倉1200m)を勝利し、スプリンターズステークスに直接出走してきた馬。
2着になったレッツゴードンキは、2015年桜花賞を勝利したG1馬で、2017年高松宮記念で2着になった後、ヴィクトリアマイルで11着に惨敗し、産経賞セントウルステークスとキーンランドに出走せず、スプリンターズステークスに直接出走してきた馬。(最終賞金加算は春季で、夏季のレースに出走していなかった馬)
レッツゴードンキの同枠馬のスノードラゴンは、2014年スプリンターズステークス(新潟開催)を勝っていたG1馬で、前走は産経賞セントウルステークスで8着になっていた最下位人気の9歳馬だった。
3着に入ったワンスインナムーンは、同年の高松宮記念で16着に惨敗した後、1600m下条件戦のテレビユー福島賞(福島1200m)とオープンの朱鷺ステークス(新潟1400m)を連勝していた馬。(最終賞金加算は夏季)
2021年スプリンターズステークス(4回中山9日・16頭立て・外国馬出走なし)
1着 ピクシーナイト 牡3 55㎏ 2枠4番(逆13番)福永祐一騎手 3人気
2着 レシステンシア 牝4 55㎏ 6枠12番(逆5番)ルメール騎手 2人気
3着 シヴァージ マル外 牡6 57㎏ 1枠1番(逆16番)吉田隼人騎手 10人気
2021年スプリンターズステークスを勝ったピクシーナイトは、同年の日刊スポーツ賞シンザン記念(中京1600m)を勝利していた馬で、NHKマイルカップで12着に敗れた後、CBC賞(小倉1200m)と産経賞セントウルステークス(中京1200m)で連続2着になっていた。(最終賞金加算は秋季)
ピクシーナイトの同枠のラヴィングアンサーは、前走、産経賞セントウルステークスでもピクシーナイトと同枠となり、8着になっていたブービー人気の馬。
2着になったレシステンシアは、同年の高松宮記念で2着になった後、ヴィクトリアマイル6着、産経賞セントウルステークス(中京1200m)1着の成績を残していた馬。(最終賞金加算は秋季)
レシステンシアの同枠のジャンダルムは、産経賞セントウルステークス(中京1200m)で4着になっていた馬。
3着になったシヴァージは、同年のシルクロードステークス(中京1200m)を勝っていた馬で、前走はリステッド競走のウッドバイン競馬場賞パラダイスステークス(東京1400m)に出走し、5着になっていた。
キーンランドカップ1着馬が不在だった2017年と2021年のスプリンターズステークスの共通項は、キーンランドカップ出走組は、枠も含め、連対できていないこと、同年の高松宮記念2着馬の牝馬が連対していること。
今年の産経賞セントウルステークスが、変則開催の中京開催から通常開催の阪神開催に戻ったことから考えると、2021年よりも2017年のスプリンターズステークスに近いと思われる。
スプリンターズステークス2025の出馬表
スプリンターズステークス2025の登録馬は17頭。
17頭の登録馬のうち、アスクワンタイムが除外され、16頭立てとなっている。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | ピューロマジック | 牝4 | 56.0kg | 松山 弘平 | 安田 翔伍 | (株)スリーエイチレーシング |
1枠 | 2番 | ヨシノイースター | 牡7 | 58.0kg | 内田 博幸 | 中尾 秀正 | 清水 義德 |
2枠 | 3番 | ダノンマッキンリー | 牡4 | 58.0kg | 横山 典弘 | 藤原 英昭 | (株)ダノックス |
2枠 | 4番 | ママコチャ | 牝6 | 56.0kg | 岩田 望来 | 池江 泰寿 | 金子真人ホールディングス(株) |
3枠 | 5番 | カンチェンジュンガ | 牡5 | 58.0kg | 坂井 瑠星 | 庄野 靖志 | 幅田 昌伸 |
3枠 | 6番 | ナムラクレア | 牝6 | 56.0kg | C.ルメール | 長谷川 浩大 | 奈村 睦弘 |
4枠 | 7番 | サトノレーヴ | 牡6 | 58.0kg | J.モレイラ | 堀 宣行 | 里見 治 |
4枠 | 8番 | ペアポルックス | 牡4 | 58.0kg | 松若 風馬 | 梅田 智之 | 廣崎利洋HD(株) |
5枠 | 9番 | ドロップオブライト | 牝6 | 56.0kg | 丹内 祐次 | 福永 祐一 | 岡田 牧雄 |
5枠 | 10番 | ![]() |
せん7 | 58.0kg | K.リョン | K.マン | M.チェン,Y.チェン,M.チェン&Y.チェン |
6枠 | 11番 | トウシンマカオ | 牡6 | 58.0kg | 横山 武史 | 高柳 瑞樹 | (株)サトー |
6枠 | 12番 | ヤマニンアルリフラ | 牡4 | 58.0kg | 団野 大成 | 斉藤 崇史 | 土井 肇 |
7枠 | 13番 | ![]() |
牝4 | 56.0kg | 武 豊 | 武 英智 | 吉川 潤 |
7枠 | 14番 | カピリナ | 牝4 | 56.0kg | 戸崎 圭太 | 田島 俊明 | (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン |
8枠 | 15番 | ルガル | 牡5 | 58.0kg | 川田 将雅 | 杉山 晴紀 | 江馬 由将 |
8枠 | 16番 | ウインカーネリアン | 牡8 | 58.0kg | 三浦 皇成 | 鹿戸 雄一 | (株)ウイン |
今年の高松宮記念覇者のサトノレーヴと外国馬のラッキースワイネスが、対角配置となっている。
サマースプリントシリーズチャンピオン不在からの考察
今年のサマースプリントシリーズのチャンピオンは、CBC賞を勝ったインビンシブルパパ。
しかし、インビンシブルパパは、スプリンターズステークスに出走してこなかった。
サマースプリントシリーズが始まった2006年以降で、サマースプリントシリーズのチャンピオンが、スプリンターズステークスに出走してこなかったのは、今年と2014年しかない。
2014年のスプリンターズステークスの結果を見てみる。
2014年スプリンターズステークス(新潟1200m・18頭立て)
1着 スノードラゴン 牡6 57㎏ 8枠18番(逆1番)大野拓弥騎手 13人気
2着 ストレイトガール 牝5 55㎏ 5枠9番(逆10番)岩田康誠騎手 2人気
3着 レッドオーヴァル 牝4 55㎏ 7枠13番(逆6番)田辺裕信騎手 5人気
新潟で行われた2014年スプリンターズステークスを制したのは、13人気のスノードラゴン。
スノードラゴンは、同年の夕刊フジ賞オーシャンステークス(中山1200m)2着、高松宮記念(中京1200m)2着、門別の北海道スプリントカップ2着、キーンランドカップ(札幌1200m)8着の成績を残していた非社台系の6歳馬。
スノードラゴンの同枠馬は、セイコーライコウとサンカルロの2頭。
セイコーライコウは、アイビスサマーダッシュ(新潟1000m)を勝った後、直接、スプリンターズステークスに出走してきた馬。
サンカルロは、同年の阪急杯2着が、最終賞金加算で、前走はキーランドカップに出走して9着だった。
2着に入ったストレイトガールは、同年の高松宮記念で3着に入った後、ヴィクトリアマイル3着、函館スプリントステークス11着の成績を残していた非社台系の5歳牝馬。
ストレイトガールの同枠馬のマヤノリュウジンは、札幌1200mのオープンレースのUHB賞を勝った後、セントウルステークスに出走して5着だった馬。
3着になったレッドオーヴァルは、同年のキーランドカップの2着馬。
2014年のサマースプリントシリーズのチャンピオンのリトルゲルダは、同年のテレビ西日本賞北九州記念とセントウルステークスを勝っていた馬で、リトルゲルダは夏季と秋季に賞金を加算していた馬だった。
2014年のサマースプリントシリーズのチャンピオンで、同年のスプリンターズステークスに出走できなかったリトルゲルダが、夏季と秋季に賞金を加算していたのに対し、2014年スプリンターズステークスで1着になったスノードラゴンは、春季の高松宮記念2着が中央競馬での最終賞金加算であり、2着になったストレイトガールの最終賞金加算は、同年のシルクロードステークス1着である。
この結果から考えると、今年のサマースプリントシリーズのチャンピオンであるインビンシブルパパの最終賞金加算が、夏季のCBC賞であることから、夏季が最終賞金加算である馬の連対は厳しいように思う。
結論
前日に行われた中山メインの3勝クラスの秋風ステークスは、11人気のピースワンデュックが勝利し、2着には9人気のワンダイレクトが入っている。
一方、秋風ステークスの裏番組のシリウスステークスは、8人気のホウオウルーレットが勝利し、2着には、9人気のサイモンザナドゥが入っている。
秋風ステークスとシリウスステークスの共通項は、正逆2番が連対し、9人気が2着になっていること、8枠が1着になっていることである。
そこで、軸は、ルガル(ウインカーネリアン)にしてみる。
相手は、カピリナ、ラッキースワイネス、サトノレーヴ、ママコチャ、ナムラクレアあたり。