サマー2000シリーズからの考察
札幌記念は、七夕賞、函館記念、小倉記念、新潟記念と共に、サマー2000シリーズを構成するレース。
ただし、七夕賞、函館記念、小倉記念、新潟記念が特別指定交流競走のハンデ戦であるのに対し、札幌記念は特別指定交流競走の定量戦となっている。
札幌記念は、サマー2000シリーズを構成するレースの1つと考えると、サマー2000シリーズから、今年の札幌記念を読み解く方法も存在するのではないだろうか。
今年の札幌記念の登録馬を見ていくと、七夕賞、函館記念、小倉記念の1~3着馬は存在しない。
そして、小倉記念終了時点のサマー2000シリーズの最高ポイントは、小倉記念を勝ったエヒトの11ポイントとなっている。
サマー2000シリーズが始まった2006年以降で、七夕賞、函館記念、小倉記念の1着馬が札幌記念に登録してこなかったのは、2008年、2016年、2017年、2018年、2019年の5回。
さらに、ここから絞ってみる。
2008年、2017年の札幌記念はG1馬がいない出走構成なので、今年の札幌記念とは異なる。
また、2016年の札幌記念に出走していたG1馬は、マイルG1を勝っていたモーリスとレッドリヴェール、オークスを勝利していたヌーヴォレコルトなので、2000mで行われる札幌記念のイメージからずれる感じ。
残ったのは、2018年と2019年の札幌記念となる。
小倉記念終了時点のサマー2000シリーズの最高ポイントで考えると、2018年は11ポイントで、2019年は10ポイントとなっていたので、2018年の方が近い感じがするが…
2018年札幌記念(16頭立て)
1着 サングレーザー 牡4 57㎏ 1枠2番(逆15番)福永祐一騎手 2人気
前走 安田記念(東京1600m)3人気5着
前々走 読売マイラーズカップ(京都1600m・指定・別定)4人気1着
1着同枠 マルターズアポジー 牡6 57㎏ 柴田善臣騎手 9人気
前走 鳴尾記念(阪神2000m・特指・別定)3人気4着
前々走 ダービー卿チャレンジトロフィー(中山1600m・カク指定・ハンデ)3人気9着
2着 マカヒキ 牡5 57㎏ 3枠5番(逆12番)ルメール騎手 1人気
前走 ジャパンカップ(東京2400m)6人気4着
前々走 天皇賞(秋)(東京2000m)9人気5着
2着同枠 クロコスミア 牝5 55㎏ 勝浦正樹騎手 11人気
前走 ドバイターフ(ア首1800m)7着
前々走 京都記念(京都2200m・別定)5人気8着
14着 ネオリアリズム 牡7 57㎏ 4枠8番(逆9番)モレイラ騎手 5人気
前走 ドバイターフ(ア首1800m)8着
前々走 香港カップ(香港2000m)3着
2018年札幌記念の覇者となったサングレーザーは、2017年9月に行われた1600万下条件戦の仲秋ステークス(阪神1400m)を勝利してオープン入りした後、指定別定戦の毎日放送賞スワンステークス1着、マイルチャンピオンシップ(京都1600m)3着、特指定量戦の阪神カップ(阪神1400m)3着、指定別定戦の読売マイラーズカップ(京都1600m)1着、安田記念5着の成績を残していた4歳馬。
サングレーザーの同枠のマルターズアポジーは、2017年8月に行われた特指別定戦の関屋記念を勝ってから連対すらなかった6歳の逃げ馬。
2着になったマカヒキは、2016年5月に行われた日本ダービーを制覇した後、海外競馬のニエル賞を勝利した馬。(ニエル賞以降は、2018年札幌記念の前走まで連対なし)
マカヒキの同枠になったクロコスミアは、2017ワールドオールスタージョッキーズ第2戦(札幌2000m)を勝った後、エリザベス女王杯で2着になっていた牝馬。
2018年札幌記念には、2016年札幌記念の覇者で、2017年にクイーンエリザベス2世カップ(香港2000m)を制していたネオリアリズムも出走していたが、14着に敗れている。(2017年札幌記念は出走なし)
2019年札幌記念(14頭立て)
1着 ブラストワンピース 牡4 57㎏ 1枠1番(逆14番)川田将雅騎手 3人気
前走 目黒記念(東京2500m・カク指定・ハンデ)1人気8着
前々走 大阪杯(阪神2000m)1人気6着
1着対角 クロコスミア 牝6 55㎏ 戸崎圭太騎手 6人気
前走 ヴィクトリアマイル(東京1600m)11人気3着(1着同枠)
前々走 サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(阪神1600m・指定・別定)6人気5着
2着 サングレーザー 牡5 57㎏ 6枠10番(逆5番) 岩田康誠騎手 4人気
前走 安田記念(東京1600m)6人気5着
前々走 大阪杯(阪神2000m)7人気12着
2着同枠兼3着 フィエールマン 牡4 57㎏ ルメール騎手 1人気
前走 天皇賞(春)1人気1着
前々走 アメリカジョッキークラブカップ(中山2200m・カク指定・別定)1人気2着
2019年札幌記念の覇者となったブラストワンピースは、2018年に毎日杯と新潟記念(いずれも特指戦)、有馬記念(指定戦)を勝っていた4歳馬。
ブラストワンピースの対角に配置されたクロコスミアは、前年の札幌記念の2着同枠馬。
2着になったサングレーザーは、前年の札幌記念優勝馬で、2018年天皇賞(秋)で2着になっていた馬。
サングレーザーの同枠のフィエールマンは、2018年菊花賞、2019年天皇賞(春)を制していたG1馬。
2018年と2019年の札幌記念は、連対枠にサマー2000シリーズに出走していた馬は存在しない。
また、2018年札幌記念の1着馬のサングレーザーも2019年札幌記念の1着馬のブラストワンピースにも条件戦の出走歴があった。
そして、2018年札幌記念1着、2019年札幌記念2着のサングレーザーは、札幌競馬場で2戦2勝のコース実績があった。
札幌記念2023の出馬表
札幌記念2023の登録馬は15頭。
札幌記念2023のフルゲートは16頭なので、登録時点でフルゲート割れとなっていたが、出走の意思を表明してきたのが15頭全頭となった。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | ソーヴァリアント | 牡5 | 58.0kg | C.ルメール | 大竹 正博 | (有)社台レースホース |
2枠 | 2番 | ウインマリリン | 牝6 | 56.0kg | 松岡 正海 | 手塚 貴久 | (株)ウイン |
2枠 | 3番 | ウインマイティー | 牝6 | 56.0kg | 和田 竜二 | 西園 正都 | (株)ウイン |
3枠 | 4番 | シャフリヤール | 牡5 | 58.0kg | 横山 武史 | 藤原 英昭 | (有)サンデーレーシング |
3枠 | 5番 | ジャックドール | 牡5 | 58.0kg | 武 豊 | 藤岡 健一 | 前原 敏行 |
4枠 | 6番 | ダノンベルーガ | 牡4 | 58.0kg | J.モレイラ | 堀 宣行 | (株)ダノックス |
4枠 | 7番 | ヤマニンサルバム | 牡4 | 58.0kg | 吉田 隼人 | 中村 直也 | 土井 肇 |
5枠 | 8番 | マテンロウレオ | 牡4 | 58.0kg | 横山 典弘 | 昆 貢 | 寺田 千代乃 |
5枠 | 9番 | アフリカンゴールド | せん8 | 58.0kg | 国分 恭介 | 西園 正都 | ゴドルフィン |
6枠 | 10番 | トップナイフ | 牡3 | 55.0kg | 横山 和生 | 昆 貢 | 安原 浩司 |
6枠 | 11番 | ラーグルフ | 牡4 | 58.0kg | 戸崎 圭太 | 宗像 義忠 | 村木 隆 |
7枠 | 12番 | ヒシイグアス | 牡7 | 58.0kg | 浜中 俊 | 堀 宣行 | 阿部 雅英 |
7枠 | 13番 | プログノーシス | 牡5 | 58.0kg | 川田 将雅 | 中内田 充正 | (有)社台レースホース |
8枠 | 14番 | イズジョーノキセキ | 牝6 | 56.0kg | 岩田 康誠 | 中村 直也 | 泉 一郎 |
8枠 | 15番 | ユニコーンライオン | 牡7 | 58.0kg | 国分 優作 | 矢作 芳人 | ライオンレースホース(株) |
出馬表を見て、すぐに気付くのは、ウインマリリンとウインマイティーが同枠になり、染め分け帽戦となったこと。
また、シャフリヤールとジャックドールの人気が予想される2頭を同枠に配置したこと。
そして、短期免許を交付されたモレイラ騎手が早速、ダノンベルーガに騎乗してきたことである。
最後に
日本ダービーを勝っているシャフリヤールと同枠となった前年札幌記念1着馬のジャックドールが、1人気に支持されている。
ジャックドールは3枠5番に配置されている。
これは、2018年札幌記念を意識せざるを得ない。
2018年札幌記念は、日本ダービーを勝っているマカヒキが、3枠5番に配置され、1人気に支持されたが、2着に惜敗したレースである。
2018年札幌記念は、モズカッチャン(3着)の対角配置となったサングレーザーが1着。
モズカッチャンは、2017年エリザベス女王杯優勝馬で、ドバイシーマクラシック6着から2018年札幌記念に挑んできた馬。
今年のドバイシーマクラシック6着馬は、札幌記念2023に出走するウインマリリン。
ウインマリリンか対角のイズジョーノキセキが軸馬候補となったが、ウマゾーの軸馬はウインマリリンを指名したい。
相手は、ジャックドール、ウインマイティー、シャフリヤール、ヒシイグアス、トップナイフあたり。
もちろん、あなたは、あなた自身の考えで、勝負すればいいと思う。