いよいよ、2025年クラシックが開幕する。
クラシック最初のレースは、3歳牝馬の桜花賞である。
といっても、今年の3歳牝馬路線は難解だ。
2歳G1の阪神ジュベナイルフィリーズが通常開催の阪神開催ではなく、変則開催の京都で行われた。
そして、桜花賞のステップレースのチューリップ賞と報知杯フィリーズレビューは、日程をいじった上に、馬連万馬券という配当を演出してきた。
ここまで、こじれた展開を見せられると、軸馬を選ぶのでさえ、一苦労になる。
でも、どこかにヒントは隠れているはず。
それを見つけることが鍵となる。
2018年桜花賞からの考察
今年の報知杯フィリーズレビューは、阪神ジュベナイルフィリーズ4着馬のショウナンザナドゥが1着、2着はショウナンザナドゥの同枠のチェルビアットが入り、馬連万馬券決着となっていた。
一方、今年のチューリップ賞は、阪神ジュベナイルフィリーズで1着同枠にいたクリノメイが1着、2着はウォーターガーベラ、3着は阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のビップデイジーとなっていた。
馬齢表記が変更された2001年以降で、報知杯フィリーズレビューがゾロ目決着だったのは、2018年と今年だけ。
また、2018年のチューリップ賞は、阪神ジュベナイルフィリーズで1着になったラッキーライラックが1着、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬のリリーノーブルが3着になっている。
この結果から導き出された2018年の桜花賞の結果を見てみる。
2018年桜花賞(18頭立て・出走取消戦)
1着 アーモンドアイ 牝3 55㎏ 7枠13番(逆6番)ルメール騎手 2人気
2着 ラッキーライラック 牝3 55㎏ 1枠1番(逆18番)石橋脩騎手 1人気
3着 リリーノーブル 牝3 55㎏ 5枠9番(逆10番)川田将雅騎手 3人気
1枠2番に配置されていたアマルフィコーストが出走を取消した2018年桜花賞は、東京1600mの2歳未勝利戦と京都1600mの日刊スポーツ賞シンザン記念(祝日開催)を連勝していたシルクレーシングが馬主、ノーザンファーム生産のアーモンドアイが1着。
アーモンドアイの同枠馬は、プリモシーンとレッドレグナントの2頭。
プリモシーンはフェアリーステークスを勝っていた馬、レッドレグナントはアネモネステークスで2着に入り、桜花賞の優先出走権を獲得していた馬だった。
2着に入ったラッキーライラックは、新潟1600mの新馬戦、東京1600mのアルテミスステークス、阪神1600mの阪神ジュベナイルフィリーズ、阪神1600mのチューリップ賞を勝っていたサンデーレーシングが馬主、ノーザンファーム生産の4勝馬。
ラッキーライラックの同枠馬で、出走を取消したアマルフィコーストは、報知杯フィリーズレビューで競走を中止していた社台レースホースが馬主の馬。
3着に入ったリリーノーブルは、阪神1600mの阪神ジュベナイルフィリーズ2着、阪神1600mのチューリップ賞3着の実績を持つサンデーレーシングが馬主、ノーザンファーム生産の馬。
2018年桜花賞の1着枠は、牝馬限定戦ではない日刊スポーツ賞シンザン記念1着馬、桜花賞の指定戦ではないフェアリーステークス1着馬、桜花賞の指定戦であるアネモネステークスで優先出走権は獲得したが、賞金は加算していない2着馬が集まっていた枠である。
桜花賞2025の出馬表
桜花賞2025の登録馬は24頭。
登録馬24頭のうち、スリールミニョンとランフォーヴァウが回避、エストゥペンダ、ムイ、ルージュラナキラ、ロヴィーサが除外され、18頭立て(フルゲート)となっている。
枠 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 | 馬主 |
1枠 | 1番 | ヴーレヴー | 牝3 | 55.0kg | 浜中 俊 | 武 幸四郎 | (有)桑田牧場 |
1枠 | 2番 | エリカエクスプレス | 牝3 | 55.0kg | 戸崎 圭太 | 杉山 晴紀 | 三木 正浩 |
2枠 | 3番 | マピュース | 牝3 | 55.0kg | 田辺 裕信 | 和田 勇介 | 吉本 雄二 |
2枠 | 4番 | ショウナンザナドゥ | 牝3 | 55.0kg | 池添 謙一 | 松下 武士 | 国本 哲秀 |
3枠 | 5番 | ボンヌソワレ | 牝3 | 55.0kg | 川田 将雅 | 宮田 敬介 | (有)社台レースホース |
3枠 | 6番 | ビップデイジー | 牝3 | 55.0kg | 幸 英明 | 松下 武士 | 鈴木 邦英 |
4枠 | 7番 | エンブロイダリー | 牝3 | 55.0kg | J.モレイラ | 森 一誠 | (有)シルクレーシング |
4枠 | 8番 | ウォーターガーベラ | 牝3 | 55.0kg | 武 豊 | 石橋 守 | 山岡 正人 |
5枠 | 9番 | アルマヴェローチェ | 牝3 | 55.0kg | 岩田 望来 | 上村 洋行 | (同)TO RACING |
5枠 | 10番 | トワイライトシティ | 牝3 | 55.0kg | 松山 弘平 | 杉山 晴紀 | エムズレーシング |
6枠 | 11番 | ミストレス | 牝3 | 55.0kg | 坂井 瑠星 | 矢作 芳人 | 前田 晋二 |
6枠 | 12番 | リンクスティップ | 牝3 | 55.0kg | M.デムーロ | 西村 真幸 | (有)サンデーレーシング |
7枠 | 13番 | チェルビアット | 牝3 | 55.0kg | 北村 友一 | 高野 友和 | (有)シルクレーシング |
7枠 | 14番 | ダンツエラン | 牝3 | 55.0kg | 団野 大成 | 本田 優 | 山元 哲二 |
7枠 | 15番 | クリノメイ | 牝3 | 55.0kg | 酒井 学 | 須貝 尚介 | 栗本 依利子 |
8枠 | 16番 | ナムラクララ | 牝3 | 55.0kg | 藤岡 佑介 | 長谷川 浩大 | 奈村 睦弘 |
8枠 | 17番 | プリムツァール | 牝3 | 55.0kg | 津村 明秀 | 蛯名 正義 | (有)社台レースホース |
8枠 | 18番 | ブラウンラチェット | 牝3 | 55.0kg | 横山 武史 | 手塚 貴久 | (有)サンデーレーシング |
賞金上位だったランフォーヴァウが回避したことで、ミストレスは出走できるようになった。
土曜重賞からの考察
土曜日に行われた重賞は、サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークスとニュージーランドトロフィーの2レース。
2025年サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(14頭立て)
1着 サフィラ 牝4 55㎏ 7枠11番(逆4番)松山弘平騎手 9人気
2着 アルジーヌ 牝5 55㎏ 1枠1番(逆14番)幸英明騎手 3人気
3着 ラヴァンダ 牝4 55㎏ 6枠9番(逆6番)岩田望来騎手 8人気
土曜日に行われた阪神メインのサンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークスは、9人気のサフィラが勝っている。
サフィラは、前年の7回京都7日に行われた2勝クラス(京都1800m)を勝った後、1回京都4日の3勝クラスの斑鳩ステークス(京都1600m)に出走し、3着(2着同枠)に敗れていたシルクレーシングが馬主、ノーザンファーム生産の4歳馬。
サフィラの同枠のヒルノローザンヌは、1回中京4日に行われた3勝クラスの新春ステークス(中京1600m)を勝った後、リステッド競走の洛陽ステークス(京都1600m)に出走し、15着に惨敗していたブービー人気の馬。
2着になったアルジーヌは、5回中山5日に行われたハンデ重賞のターコイズステークス(中山1600m)を勝った後、サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークスまで出走していなかった非社台系の馬。
3着に入ったラヴァンダは、2024年4月に行われたサンケイスポーツ賞フローラステークスで2着になってから、賞金加算がなかった馬。
なお、1人気になっていたボンドガールは、秋華賞2着の後、東京新聞杯で2着になっていた馬だが、5着に敗れている。(3着同枠)
2025年ニュージーランドトロフィー(14頭立て)
1着 イミグラントソング 牡3 57㎏ 8枠13番(逆2番)石川裕紀人騎手 2人気
2着 アドマイヤズーム 牡3 57㎏ 5枠7番(逆8番)川田将雅騎手 1人気
3着 コートアリシアン 牝3 55㎏ 2枠2番(逆13番)菅原明良騎手 5人気
土曜日に行われた中山メインのニュージーランドトロフィーは、2人気のイミグラントソングが勝利している。
イミグラントソングは、4回東京3日に行われた2歳未勝利戦(東京1600m)を勝った後、5回中山5日開催の2歳1勝クラスのひいらぎ賞(中山1600m)で2着、1回東京8日に行われた3歳1勝クラス(東京1600m)で3着だったノーザンファーム生産馬。
イミグラントソングの同枠のストレイトトーカーは、 1回中山2日に行われた中山1600mの3歳新馬戦を勝った後、1回東京1日に行われたリステッド競走のクロッカスステークス(東京1400m)で4着、2回中山2日に行われた3歳1勝クラス(中山1600m)で1着になっていた馬。
2着になったアドマイヤズームは、6回京都4日に行われた2歳未勝利戦(京都1600m)と7回京都6日に行われた朝日杯フューチュリティステークス(京都1600m)を連勝した後、ニュージーランドトロフィーまで出走がなかった社台ファーム生産馬。
アドマイヤズームの同枠のシュバルツマサムネは、 6回京都7日に行われた2歳未勝利戦を勝った後、連対がなかった馬。(前走と前々走で同じ着順を刻んでいる馬)
3着になったコートアリシアンは、イミグラントソングの対角に配置されていた馬で、新潟2歳ステークスで2着になった後、阪神ジュベナイルフィリーズ6着、デイリー杯クイーンカップ4着の成績を残していた馬。
土曜日に行われたサンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークスとニュージーランドトロフィーは、年明け後に出走して3着になっている馬を1着に起用、年明けのレースに出走していなかった馬を2着に起用、年明け後に出走して賞金を加算していない馬に3着席を与えている。