クラシックの桜花賞や皐月賞と異なり、今ひとつ盛り上がりに欠けるのが、NHKマイルカップである。

 

ただし、このNHKマイルカップは、人気薄がたびたび馬券内に入ってくるので、配当が期待できるレースともいえる。

 

今回は、東京1600mを舞台とするNHKマイルカップを考えてみたい。

桜花賞と皐月賞からの考察

今年の3歳G1は、桜花賞と皐月賞が終了している。

 

昨年から、3歳G1はすべて馬齢戦に変わったので、まずは、桜花賞と皐月賞の結果を前年と併せて見てみる。

 

2024年桜花賞(18頭立て)

1着 ステレンボッシュ 牝3 55㎏ 6枠12番(逆7番)モレイラ騎手 2人気

2着 アスコリピチェーノ 牝3 55㎏ 5枠9番(逆10番)北村宏司騎手 1人気

3着 ライトバック 牝3 55㎏ 6枠11番(逆8番)坂井瑠星騎手 7人気

 

2025年桜花賞(18頭立て)

1着 エンブロイダリー 牝3 55㎏ 4枠7番(逆12番)モレイラ騎手 3人気

2着 アルマヴェローチェ 牝3 55㎏ 5枠9番(逆10番)岩田望来騎手 2人気

3着 リンクスティップ 牝3 55㎏ 6枠12番(逆7番)M.デムーロ騎手 4人気

 

2024年桜花賞は、阪神ジュベナイルフィリーズ2着の後、直接、桜花賞に出走してきたステレンボッシュが1着。

 

2025年桜花賞は、デイリー杯クイーンカップを勝った後、直接、桜花賞に出走してきたエンブロイダリーが1着。

 

ステレンボッシュもエンブロイダリーも、モレイラ騎手が騎乗し、桜花賞のステップレースに出走していないという共通項がある。

 

2024年桜花賞2着馬のアスコリピチェーノも、2025年桜花賞2着馬のアルマヴェローチェも、阪神ジュベナイルフィリーズを勝った後、直接、桜花賞に出走してきた馬である。

 

2024年桜花賞は、1着馬と3着馬が同枠だったのに対し、2025年桜花賞は、1着馬と3着馬が対角配置になっている。

 

2024年桜花賞も2025年桜花賞も、1~3着馬は、桜花賞の優先出走権を獲得していない馬だった。

 

2024年皐月賞(18頭立て・除外戦)

1着 ジャスティンミラノ 牡3 57㎏ 7枠13番(逆6番)戸崎圭太騎手 2人気

2着 コスモキュランダ 牡3 57㎏ 6枠12番(逆7番)モレイラ騎手 7人気

3着 ジャンタルマンタル 牡3 57㎏ 4枠8番(逆11番)川田将雅騎手 3人気

 

2025年皐月賞(18頭立て)

1着 ミュージアムマイル 牡3 57㎏ 6枠11番(逆8番)モレイラ騎手 3人気

2着 クロワデュノール 牡3 57㎏ 5枠10番(逆9番)北村友一騎手 1人気

3着 マスカレードボール 牡3 57㎏ 3枠6番(逆13番)横山武史騎手 4人気

 

2024年皐月賞を勝ったジャスティンミラノは、共同通信杯を勝った後、皐月賞に直行してきた馬。

 

2025年皐月賞を勝利したミュージアムマイルは、朝日杯フューチュリティステークスで2着になった後、報知杯弥生賞ディープインパクト記念に出走して4着に敗れ、皐月賞の優先出走権を獲得できなかった馬。

 

2024年皐月賞で2着になったコスモキュランダは、報知杯弥生賞ディープインパクト記念を勝利した馬。

 

2025年皐月賞で2着になったクロワデュノールは、2歳G1のホープフルステークスを勝った後、皐月賞に直行してきた馬。

 

2024年皐月賞で3着になったジャンタルマンタルは、朝日杯フューチュリティステークスを勝った後、共同通信杯に出走して2着になり、皐月賞に直行してきた馬。

 

2025年皐月賞で3着になったマスカレードボールは、ホープフルステークスで11着に敗れた後、共同通信杯で1着になり、皐月賞に直行してきた馬。

 

2024年皐月賞はモレイラ騎手が騎乗したコスモキュランダが2着、2025年皐月賞はモレイラ騎手が騎乗したミュージアムマイルが1着。

 

2024年皐月賞は共同通信杯1着馬のジャスティンミラノが1着、2025年皐月賞は共同通信杯1着馬のマスカレードボールが3着。

 

2024年皐月賞は朝日杯フューチュリティステークス覇者のジャンタルマンタルが3着、2025年皐月賞はホープフルステークス覇者のクロワデュノールが2着。

 

2025年皐月賞は、1~3着馬が皐月賞の優先出走権を獲ってこなかった馬で占められていたが、2着馬の同枠には、日程変更があり、ゾロ目決着だったスプリングステークス1着馬のピコチャンブラックがおり、3着馬の同枠には若葉ステークス1着馬のジョバンニがいた。

 

では、次に昨年のNHKマイルカップの結果を振り返ってみる。

 

2024年NHKマイルカップ(18頭立て)

1着 ジャンタルマンタル 牡3 57㎏ 8枠16番(逆3番)川田将雅騎手 2人気

2着 アスコリピチェーノ 牝3 55㎏ 7枠14番(逆5番)ルメール騎手 1人気

3着 ロジリオン 牡3 57㎏ 3枠6番(逆13番)戸崎圭太騎手 10人気

 

2024年NHKマイルカップを制したジャンタルマンタルは、朝日杯フューチュリティステークスを勝った後、共同通信杯2着、皐月賞3着の成績を残していた馬。

 

ジャンタルマンタルの同枠は、アルセナールとユキノロイヤルの2頭。

 

アルセナールは、東京1600mの2歳新馬戦を勝った後、東京1600mのデイリー杯クイーンカップに出走して2着だった馬。

 

ユキノロイヤルは、中山1600mの3歳1勝クラスを勝った後、ニュージーランドトロフィーに出走して3着に入り、NHKマイルカップの優先出走権を獲得していた馬。

 

2着に入ったアスコリピチェーノは、東京1400mの新馬戦、新潟1600mの新潟2歳ステークス、阪神1600mの阪神ジュベナイルフィリーズを3連勝し、桜花賞で2着になっていた馬。

 

アスコリピチェーノの同枠は、マスクオールウィンとシュトラウスの2頭。

 

マスクオールウィンは、中山1600mのフェアリーステークスで2着になった後、桜花賞に出走して14着になっていた16人気の馬。

 

シュトラウスは、東京1600mの2歳新馬戦を勝った後、東京1600mのサウジアラビアロイヤルカップで3着、東京1800mの東京スポーツ杯2歳ステークスで1着、阪神1600mの朝日杯フューチュリティステークスで10着(1着対角)、中京1400mの中日スポーツ賞ファルコンステークスで9着(2着同枠)だった馬。

 

3着になったロジリオンは、3戦目となる東京1400mの2歳未勝利戦で初勝利を挙げた後、東京1400mの京王杯2歳ステークスで2着、東京1400mのクロッカスステークス(リステッド)で1着、中京1400mの中日スポーツ賞ファルコンステークスで5着だった馬。

 

2024年NHKマイルカップで1着になったジャンタルマンタルは、東京1800mの共同通信杯2着歴がある馬であり、2着になったアスコリピチェーノは、東京1400mの新馬戦と新潟1600mの新潟2歳ステークスを勝利している馬で、左回りの実績があった馬である。

NHKマイルカップ2025の出馬表

NHKマイルカップ2025には22頭が登録。

 

22頭の登録馬のうち、スリールミニョン、ネーヴェフレスカ、マテンロウサン、ミーントゥビーが除外となり、18頭立て(フルゲート)となっている。

馬番 馬 名 性齢 斤量 騎手 調教師 馬主
1枠 1番 モンドデラモーレ 牡3 57.0kg 戸崎 圭太 千葉 直人 吉田 和美
1枠 2番 ショウナンザナドゥ 牝3 55.0kg 池添 謙一 松下 武士 国本 哲秀
2枠 3番 チェルビアット 牝3 55.0kg M.ディー 高野 友和 (有)シルクレーシング
2枠 4番 ヤンキーバローズ 牡3 57.0kg 岩田 望来 上村 洋行 猪熊 広次
3枠 5番 ランスオブカオス 牡3 57.0kg 吉村 誠之助 奥村 豊 五影 慶則
3枠 6番 イミグラントソング 牡3 57.0kg C.ルメール 辻 哲英 吉田 勝己
4枠 7番 トータルクラリティ 牡3 57.0kg 北村 友一 池添 学 (有)キャロットファーム
4枠 8番 アドマイヤズーム 牡3 57.0kg 川田 将雅 友道 康夫 近藤 旬子
5枠 9番 マイネルチケット 牡3 57.0kg 横山 武史 宮 徹 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
5枠 10番 マジックサンズ 牡3 57.0kg 武 豊 須貝 尚介 (有)サンデーレーシング
6枠 11番 パンジャタワー 牡3 57.0kg 松山 弘平 橋口 慎介 (株)Deep Creek
6枠 12番 マピュース 牝3 55.0kg 田辺 裕信 和田 勇介 吉本 雄二
7枠 13番 ミニトランザット 牡3 57.0kg 鮫島 克駿 杉山 佳明 谷掛 龍夫
7枠 14番 ティラトーレ 牝3 55.0kg 木幡 巧也 牧 光二 STレーシング
7枠 15番 アルテヴェローチェ 牡3 57.0kg 佐々木 大輔 須貝 尚介 (同)TO RACING
8枠 16番 サトノカルナバル 牡3 57.0kg D.レーン 堀 宣行 里見 治
8枠 17番 ヴーレヴー 牝3 55.0kg 浜中 俊 武 幸四郎 (有)桑田牧場
8枠 18番 コートアリシアン 牝3 55.0kg 菅原 明良 伊藤 大士 吉田 照哉

ニュージーランドトロフィー1着馬のイミグラントソングとチャーチルダウンズカップ優勝馬のランスオブカオスが同枠配置となっている。